後期高齢者医療広域連合議会の改善

雑感

後期高齢者医療広域連合議会があり、10時30分過ぎに会場に到着した。今回も質疑、討論の通告は1人のみ。誰も通告を出していない。反対討論は3本。人事院勧告の専決処分と令和4年から8年までの5年間の広域計画、特別会計予算(後期高齢者医療制度の健康保険事業の本体)に反対した。賛成討論がなされたことはない。とにかく30市町村、31人の議員がただひたすら黙って座っているだけの議会の中で、日本共産党の議員だけが質疑を行い、反対討論や一般質問で提案や改善を求めてきた。

11時から全員協議会があり、その場にぼくは、議会運営委員会の設置と申し合わせ事項の改善を提案した。議会運営委員会の設置を嫌う流れがあり、副議長の位置にある議員が、設置に反対する反対討論のような意見表明が行われた。和歌山県内という広範な地域で議員が事前に集まって議会運営委員会を開くのは大変だと言うこと、今までも議会運営委員会なしにやれてこれたんだからこれでいいのではないか、という意見だった。前回の会議でぼくはリモート会議も活用すれば議会運営委員会は設置できるし、議会運営委員会があれば、会期の決定も議会の運営も、すべて議会運営員会で諮られるようになり、議会運営の改善が進むし、運営上、トラブルが発生すれば交通整理も行えるという提案を行っていた。この発言に対して、あえて反論はしなかった。今までこれでやれているからいいというのは、現状を改善しなくてもいいと聞こえた。なかなかの論点だ。

ところで議会には連続性がない。すべての議会は、議会ごとに独立している。継続していない議会で、議事を継続したければ、継続審査の手続きが必要だ。
ただし、議員全員協議会における審議は、公式な議案を審議する場所ではないので、議会が合意すれば、継続的な審議をしてもいいだろう。しかし、今回の議会で否決されたからと言って、次の議会でもう一度提案しても何ら問題がないと思われる。まあ、今年1年間は、今回決まった方向で運営されてもいいだろう。次年度の議会に対して、もう一度この問題をさらに充実させて提案することはいいと思われる。

ただし、ぼくがこの議会に対して、議員として参加できるかどうかは不明。夏の議会は、町議会改選があるので、任期が切れて出席できないと思われる。
議会ごとに独立して継続しないという仕組みの良さは、否決された問題でも、議会があるたびに新たに提案ができることにある。議会が議会ごとに独立しているからこそ、同じ内容の議案を議会ごとに出し続けられる。
議会が、事務局から独立して、自主的に提出された議案を議会として審議し決定するという形にしないと2元代表制は機能しないと思っている。後期高齢者医療広域連合の議会が、増大する75歳以上の被保険者の医療をになうという極めて重要な位置を占めることを考えると、議会が行政当局から2元代表制の制度として自立し、広域連合長から提出された議案を、議会として受け止めて、審議することにならないと、住民の代表としての議会の役割を果たせないのではないだろうか。

後期高齢者医療広域連合議会は、地方自治体の一つであり、広域連合の場合は、議会が判断すれば住民による直接選挙によって議員を選出するか、もしくは広域連合規約によって規定された仕組みの中で、関係市町村による議会内の選挙を選択するようになっている。和歌山県後期高齢者医療広域連合は、各市町村の議会の中で選挙を行って議員を選出することになっている。選出された議員の身分は個人に属しており、各自治体議会を代表していないことを意味する。従って議会における発言は、議員個人の責任で行うことになる。

特別会計だけで1544億円という予算規模をもつ後期高齢者医療広域連合の議会に対して、議員がどういう自覚の下でこの議会に向き合うのかどうかが問われている。日本共産党は、唯一の保険者である広域連合の議会を重視しており、この制度の廃止を一貫して求めながら、同時に制度が続く限り、被保険者の権利と命、健康が保持されるように、たえず改善を求めていくという2つの視点で活動している。したがって、この議会に議員として選ばれた日本共産党の議員は、集団で議案を検討し、質疑の役割分担もしながら、この議会と議案に向き合ってきた。現在共産角議員はぼく1人。ぼくは、2年間の任期で再び議員となったので、議案に対し参考資料を作成すること、傍聴者にも資料を配付すること、一般質問のときには議員作成の資料を配付することを求めて受け入れていただいた。

今回の議会では、健診の内容充実が図られた。この点についても改善を一般質問で求めてきたので、提案が受け入れられたということでもあった。提案すれば変化が生まれる。黙っていては住民の声に基づく変化は生まれない。

今回の議会も、質疑と討論を行ったのはぼくだけだった。議会はあるが議会の体はなしていない。ぼくは合計で5年ほどこの広域連合の議員を務めてきたが、日本共産党議員だけの質疑や反対討論、一般質問だけが存在しており、他の議員の賛成討論や一般質問は一切ないという議会だった。ただ、ぼくが議員になった頃は、通告をしていない議員も、質疑を聞きながら、手を上げて質疑をするようになっていた。この制度があるときは、保守系議員も何人かは質疑をしたことがあった。しかし、これをある時期に通告しないと質疑を認めないという申し合わせを行ってしまい、通告しない議員が質疑できないようにしてしまった。
この申し合わせは、会議規則における議員の権利を申し合わせによって制限してしまうと言うとんでもないものだ。共産党の議員は、通告を行って質疑をするので、この規定のままでも不自由はしていない。しかし、議会といえども「会議」なので、話を聞いていて、共産党の議員に反論したい場合もあるだろうから、異なる態度で質疑をすることを認めないと「会議」にはならないという視点で、通告なしの質疑を認めるべきだと言ってきた。広域連合の会議規則は、通告制を採用していないので、ぼくは会議規則を超えるような申し合わせは無効だとも主張してきた。つまり、申し合わせによって通告制を基本にした場合でも、会議規則の規定を超えることは許されないので、通告議員の質疑が終了したら、通告していない議員に質疑を促す必要がある。そういう運営をしないと会議規則違反になる。おそらく、今の時点では、この言い分が議員に中には伝わっていないだろうと思われる。
議員は住民の代表として制度の改選を求めて質疑する責任がある。ただ単に座っているだけでは、議員の責任は果たせない。黙って座って賛成するだけが議員の仕事ではない。

今回の議会で、大学時代からの知人だった職員の最後の議会となった。議場を出て帰ろうとしたが、思い直して議場に戻りM君にあいさつした。議員になったときに再会して、交流できたのは、ぼくの人生にとっても嬉しいことだった。彼が若い頃と基本的には変わっていなかったのも嬉しいことの一つだった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明