議会の表決、議員は態度を訂正できない

雑感,かつらぎ町議会

朝起きたら4時24分頃だった。
「やばい」
事務所に着くのは5時を回ってしまう。準備の時間が短くなる。そう思って少し急いだ。
会議の準備をしなければならない。議会の一般質問のために神経を集中していたので、感覚が少しよそに行っている感じだ。頭に浮かんでこないので、何をどうすればいいのかという感じになった。

午前中に会議が終わった。今回もZoomによる会議だったので設定に時間が取られた。耳の遠い人には聞こえずらかったようなので、次回はマイクを通じて会議をしようと思い、会議終了後、接続を試してみた。Zoom会議用のスピーカーマイクは優れものだが、それでも音声がクリアに聞こえるかといえば、マイクには負ける。次回はワイヤレスマイクを使用して会議を運営したいと考えた。スピーカーはスピーカーマイクをそのまま使う。ミキサーからスピーカーとして音を出せばスピーカーマイクはスピーカーのみの役割を果たすようになる。あとはワイヤレスマイクを使用できるようにすればいい。

普通の会議であれば、議論の過程の中で意見の違いがあり、多数決を用いて採決して、一定の方向が出たら、今度はまた一致団結して、新しいステージの下で、賛成反対で意見が分かれても、例えば賛成と決まれば賛成の方向で話し合いを重ねていくようになる。そのときには、少数意見になった人々は、気持ちを切り替えて合意になった点でさらに意見を交わせばいい。

質疑、討論、採決を行うことをルール化している議会では、上に書いたような議論の仕方はできない。議会における採決は、議員による最終の意思決定なので、議論は採決を行うまでに尽くされていなければならない。採決を行うときに、議長もしくは委員長は、採決の問題を明確にして、何に対して採決を行うのかを明示する必要がある。議員は採決を行えば、あとで裁決時の態度を変更できない。

最終結論として行う採決に対して、裁決時の態度を変更できないというのは当たり前だ。採決の際取った態度に対して、変更が認められると、採決の意味がなくなる。本会議も委員会も、この会議規則に則って運営されている。議員は、このルールに当然縛られる。例外はあり得ない。

例えば茨木市の委員会規則は以下のように規定している。以下表決と採決は同じことを意味している。

(表決の問題の宣告)
第32条 委員長は、表決をとるときは、表決に付する問題を宣告する。
(不在委員)
第33条 表決の宣告の際、委員会室にいない委員は、表決に加わることができない。
(条件及び訂正の禁止)
第34条 委員は、表決に条件を付け、又は表決の訂正を求めることができない。

かつらぎ町は、本会議主義を取っており委員会規則はないが会議規則がある。かつらぎ町の会議規則では表決について次のように規定している。

(表決問題の宣告)
第78条 議長は、表決を採ろうとするときは、表決に付する問題を会議に宣告する。
(不在議員)
第79条 表決を行う宣告の際、議場にいない議員は、表決に加わることができない。
(条件の禁止)
第80条 表決には、条件を付けることができない。
── 略 ──
(表決の訂正)
第86条 議員は、自己の表決の訂正を求めることができない。

さらに、かつらぎ町議会には委員会規則はないが、委員会条例がある。表決の規定と、委員会条例に記載されていない事項についての規定がある。それは以下のとおり。

(表決)
第15条 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
2 前項の場合においては、委員長は、委員として議決に加わることができない。

(会議規則との関係)
第28条 この条例に定めるもののほか、委員会に関しては、会議規則の定めるところによる。

委員会条例第28条の規定があるので、委員会における表決は、本会議の表決と同じものになる。
前回の委員会で、委員長は採決を行った。
まずは定数を削減するかどうかの採決を行った。この採決については、議員定数を削減する議員が過半数を超えた。
次に、議員報酬についての採決が行われた。記憶では現状維持の議員についても挙手をもとめたように思う。現状維持は少数だった。その後引き上げるべきという議員に対して挙手を求めた。引き上げるべきだという議員が過半数を超えた。
採決はこれで終わらず、定数削減と報酬引き上げを判断した多数の議員に対し、議員定数を13にするのか14にするのか、それぞれ採決をおこない、報酬について27万円か30万円かについてそれぞれ採決を行った。議員はいずれの採決でも過半数に満たない少数意見に分かれてしまった。

委員長による採決の問題が提示され、何度も採決が行われて、意見がバラバラになった。
第86条の規定は重い。「議員は、自己の表決の訂正を求めることができない。」

さて、今後委員会はどうなるのか。


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Posted by 東芝 弘明