住民主権を貫くための議会改革

雑感

議会基本条例の見直しが求められていると考えて、準備もしている。しかしこの準備よりも大事なのが、議員間の共通認識だと思われる。一体誰のための、何のための議会基本条例なのかということだ。地方自治は、住民自治と団体自治によって成り立っている。
この中で最も重要なのは団体自治ではなくて住民自治だということだろう。しかし、住民自治といってもその実態はなかなか見えてこない。団体自治の方は、首長を頂点に教育委員会などの委員会もあって、議会もあるのでその形が目に見える。住民自治の方は、住民が生活している場所なので、なかなか多様で実態の把握はできがたい。地域自治組織=住民自治でもない。住民の多様な組織と個人の動きの全てが住民自治を構成している。

主権者は国民であり、それを土台にして地方自治の主人公は住民だということになる。住民というのは、国民と在留外国人及び地方自治体に滞在している人ということだろう。住民という概念は、国民より幅が広いのは間違いない。住民の人々のさまざまな活動が自治につながっていくのだから、住民主権を貫くためには、団体自治の側が住民の声を聞く、意見を吸い上げるということが絶えず必要になる。また住民の側には、主権者であることを自覚した運動や働きかけを期待したいし、同時にそういう活動を活性化させる努力が必要になる。住民自治と団体自治の関係を捉えて、住民自治と団体自治の結合という言葉も生まれている。地方自治体を運営するというのは、この団体自治と住民自治の結合を意識して行わなければならない。これは、別の言い方をすれば、住民と行政による協働ということになると思われる。

議会改革もこの中になる。議会にとって最も大切な理念は、住民こそが地方自治の主人公だと言うことだろう。国民主権、住民主権の観点に立って、議員は行政の監視と政策立案を行うということだ。住民こそが地方自治の主人公だということを忘れた二元代表制や議会改革というのは、ピントのぼけた写真以外の何物でもない。住民主権を貫くために、議会は住民と懇談し、意見交換し、意見を吸い上げて議会活動に生かすということだ。もし仮に長が住民主権にいちじるしく反するようなことがあれば、議会は、住民の代表としてこれを質さなければならない。

すべては住民主権のためにある。住民主権を貫くための議会改革。この道を進むことが問われている。


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雑感

Posted by 東芝 弘明