『君たちはどう生きるか』
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宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』を夜、妻と2人で観に行った。いつも「宮崎駿」名だったのに、今回は「宮﨑駿」だった。本名の「さき」は「﨑」だったようだ。自分がもっている宮﨑駿さんの本も「崎」だったので、今回のエンドロールに出てきた手書きの名前は本人の意思によるものだと思った。エンドロールには有名な俳優の名前がたくさん出てきたのに、その人の声が、アニメのどの人物だったかという説明は全くなかった。
「えっ、この人出てたの?」という衝撃があった。
「今日の映画は寓話だったと思う」
「寓話って?」
「たとえ話みたいなもの。戦争で崩壊した戦前の日本と日本国憲法ができた戦後の日本と、現在の日本、これを描いていたと思う」
ぼくはそう言った。妻も同じ考えだった。2人は、映画の中にあった「解けない謎」について語り合いながらぼくの運転でする車で帰ってきた。
映画の中で吉野源三郎さんの小説『君たちはどう生きるか』を主人公が手にするシーンがあったので嬉しかった。小学校時代に先生に勧められて読み、60歳をまわってから読み直した本だった。映画で描かれた本の中の挿絵は、原作本と同じだった。
いつもは、宮崎作品を観たら、ネタバレを恐れず自分の感想を書いてきた。しかし今回の映画は、何の情報もなしに、宣伝もなしに封切られたし、パンフレットの販売も後になるというので、作品の発表の仕方を考慮して、自分の考えも書かないようにする。解けない謎も多いのでもう一度観たいと思う。書ける日が来るのを楽しみにしたい。
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