29回大会決議案の報告から得たもの

雑感

第29回党大会決議案の報告準備は、最終、朝4時に起きて午前8時までの準備となった。10時過ぎに報告をはじめるので、あとは本番と言うことになる。会場で国連常任理事国の5カ国を再確認した。第二次世界大戦は、国連を誕生させ、侵略戦争を国際法違反としたが、集団的自衛権を認めるという火種を残した。しかし、同時に世界に対して、世界人権宣言を発して5000万人を超える巨大な犠牲の上に立って、第二次世界大戦前とその後という歴史の飛躍を体現した。ここを出発にして、人類の歴史は、次第に植民地の解放という方向に向かっていった。ベトナム戦争によるアメリカの敗北がやはり大きな転機になったと思われる。

人類の歴史に法則があるのかないのか、娘が大学の教授からの設問に対して、ぼくに質問してきたので、なぜ全世界に貨幣があるのか、なぜ第二次世界大戦後、世界人権宣言が発せられたのかを例にあげた。人間の歴史に発展の法則がないかのように思っている人は多い。しかし、大きな目で歴史を見ると、世界は紆余曲折を経ながらも大きく変化している。ロシアによるウクライナ侵略、イスラエルのガザ地区への無差別攻撃という大きな逆流の中でも、ジェンダー平等の流れが起き、植民地支配への歴史的反省が起こっている。ジェンダー平等への動きは、人間一人一人の課題であるとともに、人類の歴史的な課題でもある。ここに巨大なものがある。身近なのに人類史的意義をもっている。今全世界で女性の歴史的復権がテーマになっているということだ。エンゲルスは、このテーマは社会主義にならないと実現しないという認識を持っていた。このテーマが今、資本主義の時代の中で本気で問われはじめている。それぞれの社会によって、女性が人類史的な敗北をしたのは、人類が階級的に分裂し、支配する側と支配される側に分かれたときに遡る。この巨大な女性の敗北が、いまジェンダー平等という言葉とともに、復権がテーマになっているということだ。これは大きな話だと思う。こういう歴史の流れを、実感をもって伝えることができたかを問われると、今日の説明は不十分だった。

しかし、29回党大会決議案の全体を、時間をかけ自分の言葉で報告できたのは、いい経験だった。具体的な事例は、自分の頭で考えるなかででてきたものだ。報告の内容を自分たちの運動に引き寄せて考えることをいくつか提起した。統一戦線と多数者による革命を、自分たちの血肉にすることをその中で強調した。

学ぶことは生きることなのかも知れない。新しいことを学び、自分の暮らしの中で考えて、問い直し、未来を見る。その目で世界を見る。政治も経済も見る。そうやって生きることは楽しいし面白い。
日本共産党ほど、日本社会の中で歪んだ見方をされている組織も少ないだろう。巨大な企業の生産現場での日本共産党に対する差別は過酷を極めてきた。ある職場では朝の挨拶さえ、事実上禁止され、隔離されていた。仕事を一切与えないという仕打ちをした職場もあった。

社会的排除の中で、しかし、日本共産党が戦後果たしてきた役割は大きい。今日本全体で起こっている学校給食の無償化や18歳までの医療費の無料化のムーブメントの流れの中心で大きな役割を果たしたのは間違いない。憲法に国民主権を書き込ませた戦後すぐの努力は大きい。日本の戦後の歴史の中で、民衆の中に党をつくって、一人一人の人間としての人生の生き方という、生活の足場で人間らしさを問い、「曲げることはできない」ことに真正面から向き合って、ひとすじの道をその人の人生の中で見いだして、力を合わせて生きてきた人間の群像には賛歌を送りたい。

日本共産党員は、生活者として一生懸命、世の中をよくしたいという思いを胸にいだき、平和を守りたい、国民一人一人の権利を守りたいという何らかの灯をもって生きていると思う。一人の人間の人生の地道な歩みと人類の歴史は重なり合っている。女性の人類史的復権がいま、人類の中でテーマになっているが、このテーマと家事労働は深く結びついている。小さな問題と人類史はジェンダー問題でも重なり合っているが、国民主権の現場は、まさにこの生活から生まれる小さな現場と歴史の流れが重なり合っているものだと思う。そこに日本共産党員の人生がある。

議員はその中で、社会を大きく動かしうる位置にいる。議員として成長するのは、並大抵ではないが、社会の中で重要な位置を占めているのは間違いない。議会という現場で、国民の要求を実現することを通じて、人類の歴史的発展に貢献することのできる人生は、やりがいのある道だと思う。大会決議案の報告は、ぼくにそういう思いを報告後、与えてくれた。一つのことが終わると次のことが見えてくる。そういうことが自分の胸の中に生まれたことが嬉しかった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明