2つの反対討論

雑感,議員の活動,かつらぎ町議会

今日は、国民健康保険事業と後期高齢者医療事業の2つの特別会計予算に反対したときの討論を載せておきます。

議案第33号 国民健康保険事業特別会計予算に対する反対討論

議案第33号 国民健康保険事業特別会計予算に対する反対討論を行います。令和6年度の予算段階における一人当たりの国民健康保険税は、医療分で7万6200円、後期高齢者支援分で3万400円、介護分で3万1200円、合計13万7800円となり、令和5年度予算と比べるとマイナス100円となりました。これは、基金を2500万円取り崩し保険税の抑制を図ろうとするものです。ここには、保険税を昨年と同様のものにする努力が現れています。
しかし、それでもなお、現行の保険税は、被保険者の所得に占める割合が高く、国民健康保険税を払うと生活が苦しくなる家庭を数多く生み出しています。
国民健康保険税は、協会けんぽと比較すると同じ所得であってもかなり高いものになっています。こうなる原因は、国庫負担が少ないところにあります。
全国知事会は、2014年、「国民健康保険制度の見直しに関する提言」を行う際、国民健康保険制度の構造的問題を解決するために、公費の1兆円増額を要請したことがあります。これが実現すれば、均等割と平等割を廃止し、所得に応じた保険税に変更でき、協会けんぽ並みに保険料を下げる展望が出てきます。当然、このような改革は、国によって行われるべきものです。
しかし、私は、現行の国民健康保険税に対して、自治体が保険税の抑制を図る努力を求めます。負担軽減のためには、県下一律の保険税への統一に反対すべきだと考えます。保険税の統一は、医療機関の体制が弱い地域の住民に高い保険税を押しつけてしまいます。医療体制と住民の収入の格差の大きい和歌山県で、保険税を統一すると、矛盾がさらに広がってしまいます。
和歌山県の国民健康保険事業の担当課は、30市町村の中で1自治体でも保険税統一に反対すれば、統一はできないと明言しています。
私は、かつらぎ町に対し、保険税を抑制するために、保険税の統一に反対するとともに、1億9881万円ある基金を活用し、計画的に保険税を下げ、基金を使いきった数年後には、一般会計からの繰り入れを行って、保険税を抑制するよう求めます。
一般会計からの繰り入れに対し、国は赤字補填だという指摘を行っていますが、同時に「一般会計からの繰り入れをどうするかということにつきましては、それぞれの自治体で御判断をいただく」「これを制度によって禁止するというふうなことは考えていない」という態度を取っています。
このようななか、一般会計から繰り入れを行う自治体も生まれています。本町も高すぎる国保税を抑制するために足を踏み出してほしいと思います。このことを訴えて、私の反対討論といたします。

令和6年度かつらぎ町後期高齢者医療事業特別会計予算に対する反対討論

議案第35号、かつらぎ町後期高齢者医療事業特別会計予算にたいする反対討論を行います。
この制度は、75歳以上の人を後期高齢者医療保険に囲い込んで、医療費の負担を高齢者に押しつける差別医療制度です。日本共産党は、後期高齢者を国民健康保険に戻しつつ、高齢者本人の医療費負担をゼロにすることを求めています。
今年度は、2年間の保険料を決定する年度であり、保険料は均等割で4111円値上げし5万4428円、所得割で1.72%値上げし11.04%となりました。今後団塊の世代が後期高齢者になるため、保険料の値上げはやむを得ないということです。
テレビでは、年金が少ない中、80歳を超えた高齢者が元気に働く姿を紹介しています。しかし、病気を抱え働けない状態である高齢者にとって、働かないと生活できない状態は、過酷すぎるのではないでしょうか。このような状態の中で保険料を引き上げ、医療費の負担を重くするのは間違っています。
私は、後期高齢者医療制度は、どんなに長く存在しようが、定着しようが認めることのできない制度だと思っています。
1960年代の初め、乳幼児医療費の無料化と老人医療費の無料化を実現した岩手県沢内村の村長だった深沢晟雄(ふかさわまさお)さんは、医療費の無料化制度が法律に違反しているのではないかという問いに対し、「国民健康保険法に違反するかもしれないが、憲法違反にはなりませんよ。憲法が保障している健康で文化的な生活すらできない国民がたくさんいる。訴えるならそれも結構、最高裁まで争います。本来国民の生命を守るのは国の責任です。しかし国がやらないのなら私がやりましょう。国は後からついてきますよ」という言葉を残しています。この言葉は、地方自治体とは何なのかを示していると思います。
私は、この制度が続く限り廃止を求めます。同時に制度の枠内での改善を求めます。国民はこの30年間、賃金が上がらず長時間労働が是正されない中で苦しんできました。国民に負担増ばかりを押しつける政治を終わらせないと、住民の幸福の条件は整いません。政治を変えるためにも後期高齢者医療制度は廃止されなければならない。このことを訴えて私の反対討論を終わります。


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Posted by 東芝 弘明