白は白、黒は黒

未分類

梅雨のような感じになってきた。
今日は、午前中、参議院選挙にむけて張り出すことになっているポスターを貼りに行った。
大型ポスターと小型のポスター。
今回の参議院選挙は、住民税増税と年金問題の不安が増大しているもとでの選挙になる。
小泉内閣が誕生してから、自民党政権は、棚上げになっていた新自由主義の改革=構造改革をすすめていった。この改革は、橋本内閣が具体化し実践しようとしていたものだった。
橋本内閣による構造改革は、消費税の5%引き上げによって失速し頓挫してしまった。そのあと誕生した小渕内閣は、自民党の従来型の公共工事優先の景気対策をおこない、借金をものすごく増大させた。
森内閣が不人気の中で失墜して小泉内閣が誕生し、構造改革路線へのばく進が始まった。
この改革は、多国籍企業化した日本の大企業の要求を満たすために、具体化されつつあった新自由主義の路線をあらゆる分野で本格的に展開するものだった。
多国籍企業が、日本にひきつづき本社機能を置き、企業活動を展開しやすいように、金融、税制を改革し、都市を再生する。産業界にあるさまざまな規制を緩和し、とくに働き方の問題で労働法制の規制緩和を進めていった。
社会保障改革は、給付の抑制と負担の増大によって、社会保障経費の抑制をはかるというものだった。この分野の改革は、大企業の負担を軽減するという課題をまだ残している。
都市の再生は、交付税の削減と国庫補助金の削減、税源移譲という三位一体の改革の中で、すすめられた。市町村合併は、この改革を実現するものとして日本全国を巻き込んで地方に押しつけられた。
その結果、「痛みのともなう改革」は現実のものとなった。いま国民を苦しめている医療や介護における給付の負担増、保険料(税)の負担増、庶民大増税、地方交付税の削減と税源移譲という名の地方の財源カット(これは住民の負担増やくらし関係の予算のカットになって住民に跳ね返っている)、都市への財源の集中等々は、構造改革のもとで実現した「成果」である。
このような現実を生み出したのは、自民党と公明党である。民主党は、小泉内閣のもとでは、小泉改革以上に構造改革推進の旗を振ってきた。格差是正のかけ声を張り上げ、「生活が、第一」を掲げたのは、つい最近のことだ。自民党と同じ主張をして、労働法制を改悪して派遣労働を解禁した責任は民主党にもある。ワーキングプアをつくる実態を生み出してきた政党が、格差是正を唱えるのは、滑稽だと思うのだが。
大企業の経済活動を活発にするために、規制を取り払って大企業が自由に市場で競争する社会をつくる。そうすれば、大企業のもうけは保障され、経済は発展し、国民は豊かになる。
これが新自由主義の考え方だろう。グローバル化した世界経済の中でこの考え方は、世界を股にかけた国際競争を引き起こす。今議論されつつある関税の撤廃も、競争こそすべてという新自由主義の考え方に依拠したものだ。
しかし、こんな路線を突き進んでいくと、実現するのは、もうけをあげる一握りの大企業と、その対極としての貧困、格差の蓄積しかない。
日本共産党は、現在の貧困と格差を是正するためには、「健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」という日本国憲法の規定にもとづいて日本社会を立て直すことが必要だと訴えている。
そのためには、破壊してきた労働法制を改善し、正規雇用を増やし若者が安定した雇用と生活を取り戻すことが必要だ。
社会保障についても、現行の社会保障は、負担増の中で、社会保障費が払えないためにセーフティネットから放り出され、社会保障が国民のくらしを破壊するというような事態まで生み出している。
社会保障を再建しないと国民のくらしは守れない。
これを実現するためには、大企業におこなってきた大減税を元に戻し負担をかけることが必要になる。
「痛みの先に未来はない」
日本共産党は、小泉さんが登場したときにすぐこう反論していた。
痛みの先にあるのは、さらにおぞましい構造改革、痛みのともなう改革しかない。
考えていただきたい。
貧困と格差が増大している現実のもとで、さらにサラリーマン増税と消費税増税を実施し、その一方で大企業の法人税と社会保障負担を軽減すればどうなるのか。
実現するのは、貧困の増大と格差の拡大ではないのか。
「改革を止めるな」
郵政民営化の時に小泉さんは、この言葉をスローガンにした。国民はこのスローガンを支持した。
改革は進んだ。
いや、まだ改革は進み足りない。
「次はサラリーマン増税と消費税増税だ」
「後期高齢者への医療費負担だ」
「その次は、関税の撤廃と農協の解体だ」
「第2次合併による地方の財源カットだ」
「道州制の実現だ」
これを実現すれば、大企業の所得税軽減と社会保障費負担軽減が実現する。
なかなかいい社会が実現するのではなかろうか。
この社会を実現したい方は、どうぞ、自民党や民主党を支持してやってください。
こんな風に説明してくれれば、分かりやすいのに。
ぼくは、誇張してこんな文章を書いたわけではない。こういう現実が進んでいる。
なのに、こういう現実が進んでいることが真っ直ぐに伝わっていない。
政治家は、黒を白だといってはばからない。
明らかに黒なのに白だと言い張っている。そんな論議を聞いていると「ウソをついてもしらばっくれたらいいのかよ」と思う。
政治家が、国民のモラルを破壊している。
白は白、黒は黒。
事実を見れば、真実は見えてくる。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

未分類

Posted by 東芝 弘明