妻の怪我。本日は晴天なり。

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お昼に娘から電話がかかってきた。
「お母さん、こけて足痛いって言って動けやん。早く帰ってきて」
驚いた。
急いで帰ると妻はこたつに入って寝ていた。
「足、動かしたら痛いんよ。腫れてるか見て」
包帯と湿布を巻いている足からこの2つを外して見るとくるぶしの部分が腫れている感じがした。
洗濯物を干すのに玄関から外の庭に出るときに、犬走と庭の段差で足が外側にねじれ、転倒したのだという。
「お葬式があるから、戻ってきてから119番に電話を入れて病院に連れってあげるわ」
事務所に会議を休む連絡をして葬儀に行った。
2時15分過ぎにYさんの葬儀から戻り、遅い食事をとって119番に電話を入れ、連絡を待っていると「那賀病院に行って下さい」という連絡が入った。
那賀病院に行くと赤ちゃんを抱えた若いお母さんが、子どもの熱を計りながら診察を待っていた。
妻を病院の車イスに乗せ診察を待った。
椅子の上に読売新聞が置かれていたので、ぼくはそれを読んでいた。
「東芝さん、どうぞ」
看護師が案内してくれた。
「どうされました?」
外科医は、人なつっこそうな男の方だった。話す口調が柔らかく軽快だった。
妻が状況を話し、いくつかのやり取りがなされたあと、医師は指で痛むと思われるところをおさえて、「ここは痛みますか」と確認しはじめた。
「あまり痛くないところから確認しますから」
医師はそう言いながら次第に痛みがある場所を的確におさえていく。
「これだったら骨折してないかも知れません」
くるぶしの一番はれている頂点をおさえたときに医師はそう言った。
「今からレントゲンをとります」
レントゲン室から出てくるなり、妻は「骨折していたわ」と笑いながら言った。
もう一度診察室に行き、パソコンの画面上に映し出されたレントゲンを見せてもらいながら、折れている部分の説明を受けた。
「最高の骨折です」
医師はそう言った。
足首を両側から挟み込んでいる骨の挟み込んでいる付け根の部分で骨折している場合、ギプスをしても骨がくっつかずに開いてくるケースがあるという。今回の骨折は、外側の骨の先端部分の骨折だったので、手術をせずにギプスで固定するだけで治るという。
「ただし、経過を見るために週に1度レントゲンを撮ってしばらくは経過を見ます」
「松葉杖はお借りできるんですか」
「うちの病院は、経営がシビアなので売店で松葉杖は買っていただかないとだめなんですよ。前は貸していたんですけどね」
「えー。そうなんですか」
「はい。申し訳ないがそうなんです」
これが怪我の顛末だった。この顛末は、家庭生活におよぼした影響の出発にもなった。こっちの話は、これから毎日対応が求められる。
さて。ここからは政治的な話。
今日の医療費は、松葉杖3500円。診察料6780円。ひょえー1万円なり。
医療費は、ものすごく高くなった。
日本人は、こんなに高い医療費にほとんど文句を言わない。現状を粛々と肯定しているような感じさえ受ける。しかし、どうも深部で怒りが広がっている。
高齢化社会。少子化社会。問われているのは政治の姿勢だろう。
年末、道路特定財源のことを調べて驚いたことがある。
ここ数年、道路特定財源は、金あまり現象におちいり道路予算に使われなかった部分の一般財源化が進められてきた。これに反発したのは、道路整備を求める勢力だった。地方自治体の議会も県がいうままに一般財源化反対を叫んで何度も意見書を上げてきた。その結果もあって、国は道路特定財源を大きく越える整備計画を明らかにし、特定財源に一般財源を上乗せして道路整備をおこなう計画を発表し、10年間、暫定税率を維持するという方針を打ち出した。
医療をズタズタにし、社会保障全般の負担を増大させながら、道路に今まで以上に財源をつぎ込もうとしている。
この国はいったい何なのだろう。国民の幸福の条件に政治があるはずなのに、政治が国民の生活を破壊し、苦しめている。
国は、歳出削減を図って借金をなくす気がないのかも知れない。
国民のふところにはまだこれだけのお金があるから、日本の借金は問題ではない。と経済学者はいう。つまり、もっとあけすけにいえば、増税して国民に負担してもらえば、国の借金は返せるということだ。人の懐具合を当てにして国は成り立っている。この論理は泥棒の論理ではなかろうか。
病院の経営は苦しく、患者の負担は重くなった。医療費の負担増は、病院の経営改善にはまったく繋がっていない。
誰がいったい医療関係で儲けをあげているのだろうか。
今日の医師は、こんな言葉も口にした。
「伊都消防本部からですか。かつらぎ町ですか。今日は橋本市民も紀北分院も受けられないということなのかな。だからものすごく患者が来るんやな。昼も来るということは夜も来るということだろうな」
勤務医は、ものすごく多忙な中で勤務をこなしている。
日本の医療。構造改革の中でシステム自体が悲鳴を上げつつある。悲鳴は、システムに振り回されている人間の声だろう。


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Posted by 東芝 弘明