野半の里についての反響

雑感

野半の里の記事をブログにアップしてからアクセスが急に増えています。レンタルサーバーにBlogのデータを置いて、検索エンジンだけで探していただくという形式に移行してからは、無料のBlog運営会社でBlogを書いていた頃よりもアクセスが少なくなっていました。Blog運営会社によるBlogの場合、会員同士は簡単に友だちになれる仕組みがあったので、アクセス数は毎日かなり多かったのです。
レンタルサーバーとwordpressというシンプルな個人独立型のBlogになってからは、検索エンジンだけがアクセスを伸ばす唯一の方法になりました。
シンプルな仕組みでも、関心の高い情報を発信すれば、アクセスは伸びるものですね。木曜日は600を超えました。

野半の里は、多くのリピーターをもつ、ファンの多い施設だったと思います。今でも検索エンジンで画像を検索すると数多くの画像がヒットします。多くの方が施設内で写真を撮り、正面で野半の里の大きな看板を撮っていました。
火曜日、野半の里の状況をお昼前に見に行くと2組の方が北側の駐車場に車を止めて声を掛け合っていました。
一組の夫婦は奈良から来たといっていました。
「つぶれたのかしら」
こういう声が聞こえたので、地元の議員だと自己紹介した上で、
「倒産しました」とお伝えしました。
「誰かがこの施設を買い取って、再開して欲しいですね」
夫婦はそうおっしゃいました。
野半の里への思いは、こういう声に代表されていると思います。
「残念です」
そういう一言に思いがこもっています。


野半の里への愛着は、かなりのものだと思います。建物にはものすごく大きな資金がつぎ込まれていました。野半の里自身の説明によると、蔵の湯は海南市の老鶴酒造の酒蔵を移築したものでした。太い柱、太い梁、高い天井などお風呂の趣は、多くの方々を魅了していました。それは、野半の里のことを書いたBlogによる紀行日記にもよく現れています。かつらぎ町への観光客は、近年100万人を超えていますが、野半の里は、物産販売に足を運んでくれた人々とともに大きな比重を占めていました。
また、野半の里の宣伝物は、かつらぎ町内の世界遺産を含む歴史的な施設や遺跡なども紹介していました。野半の里を軸に観光を楽しむという一つの形ができていたということでしょう。

民事再生という形をとっていれば、経営者が入れ替わって経営を続ける例は過去たくさんありました。誘致企業の中にもこのような道をたどって、大手の企業が経営するようになった例があります。
破産した場合、債権者が債務の返済を求めます。これは当然のことです。残った物が施設や土地であれば、それをお金に変換しない限り債務の返済はできません。当然だと思いますが、施設によって14億円の債務をすべて返済できるのであれば、自己破産はなかったので、お金になるものをすべて売却しても、14億円には及ばないということです。


野半の里の設備投資は、一言で言って多重投資というべきものです。横に拡張したという側面も若干はありますが、一つの場所で作っては壊すということをくり返しおこなったので、施設に多重に投資するというものでした。お客さんが減少して経営が左前になったという性格のものではないということです。中神社長の夢が具体的な形をなしてあの場所ができたということだと思います。
第6源泉の掘削は、今年の5月から行うと宣伝していました。あの狭い施設で6番目の源泉を掘る必然性はないように見えます。
負債が増加し、返済額が大きくなっていく中で自転車操業になり、温泉の掘削という設備投資が、新しい資金集めの方法になっていったのではないか、というように見えます。目的と手段の逆転がおこったのではないでしょうか。

預託金を預けた方々が多いというところに、今回の破産の一つの特徴があります。債権者が700人というのがこのことを物語っています。
野半の里が、再生できる道は見えないですね。誰かが債務を肩代わりして、再生を図るのであれば道はひらけます。
通常、一般的に言えば、自己破産には債権放棄が必然的に起こります。資産価値が債務より小さいからです。関係者が、野半の里の再生を願い、債権放棄を何らかの形で合意し、施設を存続させて再開するというのは、なかなか難しいことだと思います。
資産を処分することになると、一般的には最終的には例えば機械(鉄)は、鉄として売却することになります。ぼくが知っている例でいえば、高野口の織屋が破綻処理したとき、織機は最終鉄として買い取られました。野半の里でもそういうことが行われると、温泉施設として維持はできなくなります。最終残った資産を誰かが買い取っても、かなりの設備投資が必要になると思われます。

なぜ破産手続きなのか?
債権者集会は必ず開かれます。そこで破産に至った経緯、今後の方針が説明されます。債権者の方々は、この疑問を追及して真実を知る権利があると思います。


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雑感

Posted by 東芝 弘明