歌を忘れたカナリア

雑感

寒かったですね。3月中旬だったとか。
今日の赤旗日刊紙の一面トップは、安倍首相と大手メディアのトップが盛んに会食していることを具体的に報じたものです。
欧米では、こういう事態はありえないようです。
権力を監視する使命が、マスメディアにはあります。日本は、もうすでに大本営発表という水準に近づいているということでしょうか。
「アベノミクス」の持ち上げ方が異常です。
赤旗の経済面を見ると、日銀は、毎月7兆円もの国債を買い入れるようです。政府発行の国債の7割を占める金額だと言います。

政府が大量の国債発行を行う。→この国債を銀行などが購入する。→購入するためには現金が必要になる。→日銀は、過去に銀行が購入した国債を買い入れる。→したがって銀行には大量の現金がある。→この現金がマネーゲームと新たな国債購入に回る→マネーゲームをおこなう機関や個人が銀行から現金を得て、株や先物取引や証券購入や不動産購入などの投機に走る。→株や地価上昇などによってバブルが再燃する→バブル再燃によって株価が上がり、企業に現金が手に入る。→さて、この現金はどこに回るのか→海外への資本投資か、不動産投機やマネーゲームに回るのか。本当に設備投資にまわり生産増につながるのか。→円安が安定的に実現すれば輸出産業による生産増が出現する→輸出増による儲けは、円高を生み出す。

格差と貧困が拡大して、富める側と貧しい側に分裂してしまっている産業構造の下で、今回のバブルが一体何を引き起こすのかを冷静に見極める必要があると思います。日銀が採用した政策は、印刷会社による紙幣の印刷なので、この紙幣が市場に投入されれば、物価は上がります。物価の上がり方は、極めて投機的になります。1980年代後半から起こったようなバブル経済のような状況にはならないのではないかと思います。
アメリカによるリーマンショックは、証券を操作することによって、架空の需要を生み出し好景気を作りました。しかし、貧困層に返済不可能な住宅を購入させることによって、サブプライムローンが破綻し、リーマンショックの引き金を引くことになりました。

マネーゲームによる破綻は、近い将来、日本でも重大な引き金を引くように思います。日本では、消費税増税と社会保障の改悪、TPP参加による破壊的な影響が、待ち構えているので経済破綻は、国民に対する負担増によって引き起こされる可能性があると思われます。日本政府の大型公共投資は、ゼネコンのもうけにしかならず、雇用の拡大と地域経済の向上にはつながりません。不況下で小渕内閣が、大きな公共投資を行っても景気が回復しなかった歴史がこのことを教えています。

破綻するスピードは、早いかも知れません。消費税8%、10%という事態が目前に待ち構えているからです。

首相と2時間も3時間も会食を行って、批判的な精神を全く失っていく大手メディアの姿は、退廃の極地ではないでしょうか。
保守の議員の方々は、地方議会の中で与党を自認しているので、役場にとって都合の悪い事実は、なかなか語りたがらないという傾向をもっています。議会で明らかになったことでも、何とか穏便な表現にできないものかという意識があります。

こういう仲間意識は、会食から始まります。大手メディアと首相が、おいしい料理を食べて仲良しになって、待ち構えているのは、憲法改正でしょうか。第96条の改正が実現できたら、国政選挙のたびに憲法改正の国民投票が行われるかも知れません。何度かの憲法改正によって、日本が北朝鮮のように、国家が国民を支配する国に戻る時代が来るかも知れません。
歌を忘れたカナリアは、炭鉱の中でガスが充満していても、働く人に危険を知らすことができなくなります。大手メディアは、おいしい料理に舌鼓を打つたびに、歌うという本来の使命を忘れて行くのではないでしょうか。


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雑感

Posted by 東芝 弘明