自由と民主主義こそが未来を拓く

雑感

朝5時に起床した。もう寒くはない。外も明るかった。事務所に車を止めて、カブに乗り換えて後援会ニュースを配布に出た。配布する順番にニュースを並べていたので、配布は全く苦にならなかった。
いい季節になった。配布していると、ここの家も、この家も「後援会に入ってもらえるなあ」と思った。運動はまだ始まったばかり。

自宅に帰ると6時半を回っていた。こたつに入ってテレビを見た。
北朝鮮によるミサイル発射のニュースが流れている。
この国のことを社会主義だと思っている人もいるだろう。

この問題で私見を書いてみたくなった。

社会主義は、資本主義の発展としてできる社会だから、資本主義の下で国民が勝ち取ってきた自由と民主主義が、さらに豊かに花開く社会になる。別の角度から言えば、自由と民主主義がさらに発展しないと、社会主義は機能しない。
豊かな生産力を社会の手に移すことが、社会主義を形成する根本問題だから、それは、経済における国民主権を実現することになる。
これを日本共産党は、生産手段の社会化と呼んでいる。
生産手段の社会化=国有化ではない。生産の現場だけでなく、商品生産の全課程、全部門で働く人々による主体的な管理(働く人々が主人公になるということ)を実現することが、生産手段の社会化という意味だ。

これを実現した国はまだない。
ソ連による社会主義建設は、その初期の段階から道を踏み外すものになった。多民族国家であったソ連は、大きな民族が少数民族を支配し抑圧する傾向を色濃くもった社会だった。資本主義が十分に発達しない状況のもとで、ツアーリと呼ばれた君主が実権を握っている状況があったなかで、資本主義社会への移行が行われていた。その状況下で社会主義革命が行われた。
資本主義の下での階級闘争は、さまざまな紆余曲折を経ながら自由と民主主義を発展させてきたが、社会主義をめざしたソ連は、この自由と民主主義という点では、極めて遅れた社会だった。

スターリン体制下で、農民の強制的な集団化が行われ、徹底的な粛正という名の弾圧が行われ、スターリンに反対する人々は、強制収容所に送られた。強制労働による奴隷的な状態を広範に残すとともに、それを最大限に利用するような社会は、極めて封建的色彩の濃い社会だった。ソ連は、社会主義を名乗っていたが、このような社会が社会主義に到達していたとは言いがたい。

中国は、資本主義的な生産関係が生まれないまま、社会主義革命が勝利した。この国も現在の到達点を見ても、社会主義に到達していないといえる。社会主義は、資本主義の発展としての社会主義ということにほかならない。このような国はまだ地球上に誕生していない。

北朝鮮は、金日成の時代に金日成の教えこそが社会主義だと言って、極めて独特な個人崇拝の社会体制を確立した。ご存知の通り国の実権は世襲制になっている。朝鮮労働党は、国民を全面的に支配下に置いて、個人崇拝を国民に押しつけている。しかも20人に1人が軍人と言われるほど、極めて軍国主義的な色彩の濃い国になっている。
この国とものすごく似ているのは、戦前の日本だろう。絶対主義的な天皇制の下で、現人神であった天皇に対する絶対的な忠誠を柱にして国家が成り立っていた。北朝鮮を嫌っている日本人は多いけれど、この国の姿は、戦争を絶えずしかけて、諸外国を徹底的に侵略した戦前の日本に酷似している。北朝鮮を批判しつつ、戦前の日本を美しい国家体制だという人は、本当は北朝鮮にあこがれているということになる。北朝鮮のやっていることは許せなくて、日本のやろうとしていることは美しいというのは、パラドックスの一つだろう。
このような国が、社会主義を名乗っているから話が錯綜してくる。

日本における具体的な社会主義の姿は、広範に残る資本主義的な生産関係と社会主義的な生産関係の結合という形をとる。しかも、市場経済が社会主義社会の根本に座る。市場経済を通じて社会主義へ。
ぼくは、一気に手のひらをひっくり返すように資本主義から社会主義への転換が行われることにならない可能性が高いと思っている。選挙を通じて社会主義社会への移行を選択するということになるので、劇的な革命という形にはならないと思われる。

この社会主義的な変革よりも、この日本の社会で、文字どおり国民主権を実現し、国民の手に国家権力を移すという民主主義的な革命の方が、より根本的な転換になる。資本主義の下での民主主義革命こそが、最も重要な革命になる。
徹底的な民主主義を実現し、さらにその上に立って自由と民主主義を大きく開花させる。
この民主主義革命は、選挙を通じて行われる。日本共産党は、一致した目標をもつ政党や団体個人で組織を作り、国民の共同事業として民主主義革命を実現する。この革命の具体的な目標は、日本国憲法の完全実施にある。
生存権を物質的に保障し、男女平等を文字どおり実現するために、母性保護の仕組みを作り上げ、生涯にわたって健康で文化的な生活を営む権利を保障する社会。子どもは、人間として権利を保障され、意見を表明し、実現を求めることができる。思想信条の自由、政党結社の自由、市民的政治的自由をはじめとする基本的人権は、徹底的に尊重される。当然、複数政党制が採用される。選挙で負けたら政権交代が当然のごとく行われる。
これらを保障する社会は、国家の手を徹底的にしばる国になる。国民主権を徹底的に実現するためには、国家権力を憲法の力で抑え込まなければならない。日本国憲法がうち立てた国民主権や恒久平和、基本的人権を永久に保障することが、国家権力をしばる力になる。

日本国憲法を完全実施するためには、豊かな物質的な土台が必要になる。国民が生み出したこの豊かな物質的土台のもとで、国民がそれを享受してはじめて、国民主権は実現する。日本国憲法の徹底的な実現には、豊かな生産力を国民中心に活用するという政治的転換が必要になる。そのためには、国民に奉仕する政府を作らなければならない。この発展の先にこそ社会主義がある。

日本共産党は、この理想を現実の経済的土台や政治的文化的な条件の中に見出している。そのために社会保障の充実をもとめ、働く人々が仕事に働きがいや誇りを感じれるようにするためにたたかっている。現実に中にこそ発展の芽はある。ここに日本共産党の最も大切な考え方がある。日本共産党は、理想をかかげて夢を見るというような夢想家ではない。
国民のたたかいは、民主主義とは何か、自由とは何か、権利とは何か、義務とは何か、社会保障はどうあるべきなのか、教育はどうあるべきなのか、文化やスポーツはどう発展させるべきなのか、等々、ありとあらゆる分野で、その思想や具体的内容を豊かにしてきた。この豊かさは、それらを破壊しようとする現実とのたたかいだった。たった1人のたたかいが、自由と民主主義の発展に大きく貢献した例はたくさんある。このたたかいによって培われたものが、次の社会を具体的に準備する。

一党独裁の国のまま、社会主義に移行することはありえない。
国民の自由や民主主義を弾圧しながら社会主義を実現することはできない。北朝鮮は、極めて封建色の濃い軍事国家だと思われる。中国は、資本主義を受け入れて経済発展を実現しようとしている国であり、経済大国にすでになってはいるものの、その内実は、極端な都市と農村の格差を抱えた発展途上国だといわなければならない。急激な経済発展ゆえに、貧富の格差もものすごく大きく、さまざまな矛盾を抱え込んでいる。この国には、社会主義的な生産関係も形成されているようだが、それはまだまだ小さいようだ。どのような発展の道をたどるのか。中国のことは中国国民に主権があるので、進んでいく事態を注意深く見守ることが必要だと思う。発展にとっての大きな障害の一つは、市民的政治的自由がない問題だろう。この問題は、いつの日にか、中国社会の発展の最大の問題の一つになるようにさえ見える。

日本共産党のめざしている社会主義にモデルはない。
現実の日本の諸条件の中から展望できる具体的な姿にこそ、未来の姿の種がある。私たちは、歴史に学びながら新しい歴史をつくる。資本主義によって豊かに発展させられた生産力を、国民のために生かす社会にこそ、豊かな未来がある。
少子化と高齢化と過疎化による人口減少と衰退、地域産業の衰退、農林水産業の衰退などは、日本における資本主義の大きな矛盾の現れになりつつある。衰退は必然的なものではない。国民生活を踏みにじり、非正規雇用を増大させ、輸出中心に利益を上げてきた巨大資本の目先の利益追求の結果、これらの問題が深刻になりつつある。少子化、高齢化、過疎化、地域産業の衰退、農林水産業の衰退の中で生じてきている矛盾は、国民のたたかいによって克服できる。そのためには、経済主権と政治的主権を一部の勢力から国民の手に獲得しなければならない。

巨大企業の利益守って滅ぶ国
巨大企業の利益追求が国民の生活破壊につながりつつある国
原発事故の本質を覆い隠し、国民の健康被害さえも誤魔化して、危険な原発を推進する国
戦前の国家体制への憧れをもち、国家が国民を支配する国にするために、自由と民主主義を破壊しつつある国
アメリカの利益を最優先にして、国民の命さえも危険にさらす国

この国を変える。最も大事なたたかいの武器は、自由と民主主義だ
自由と民主主義こそが未来を拓く
日本国憲法の精神を貫くことが、未来への希望を拓く
私たちの手には、日本国憲法という形の希望がある


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雑感

Posted by 東芝 弘明