なんだかこそばゆい

雑感

本多勝一さんの『中学生からの作文技術』を読んでいると、自分の書いている文章に自信がなくなる。自分の文章に対して、分かりやすく書けているかという視点で見直すことが少ないので不安になってくる。そうなると、本多さんの書いている視点で自分の文章を読み直したい衝動にかられる。

日本語には主語がないということを本多さんは書いている。そうだと思う。主語と述語に分けて考えるというのは日本語には向かない。日本語の主語は省略されていることが多い。主語を意識して文章を書くと変に角張った文章になる。

読まれた方は、この文章自身、主語の少ないものになっていると感じるだろう。本多さんは日本語には主語がないと言い切っている。井上ひさしさんもこういうことを書いていた。

ぼくのブログの場合、多くの文章の主語はおそらく「私は」ということだろう。でも毎日書いていると、
「私は‥‥こう思った」
なんて言うような書き方はしない。楽しければ、「楽しい」と書く。でも楽しいと書けば楽しさが伝わるわけではない。文章の内容が楽しいものであれば、楽しさは自ずから伝わる。ただし文章全体で楽しさを表現することは難しい。少し末尾に楽しさを加えたりすれば、楽しい文章ができあがる。
「若い女性は箸がこけても笑う」という話をすると、不思議なほどよく笑ってくれたことがあった。
文章は端がこけるとクスッとなる。

「そして」という接続詞はほとんど使わない。使う場合があるとすれば、意識して「そして」を書く。でも年に1回あるかないか。「しかし」や「でも」は使う。とくに論理を展開するときにどうしても必要なのは「しかし」だろう。

文章について書いている本を読むと、自分の文章のことを思い出して、なんだかこそばゆい。


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雑感

Posted by 東芝 弘明