宮崎駿さんへのインタビューに寄せて

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「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」に宮崎駿さんが出て、インタビューを受けていた。宮崎さんは、その中で「ハウル」の制作が終了してから自律神経失調症になり、瀬戸内海の崖のある港町で2か月間、静養していたと語った。自律神経失調症、昔流に言えば神経衰弱だと言い、これは夏目漱石風の言い方だと言っていたのが面白かった。
崖の上に家がありそこで静養し、毎日同じことを繰り返していたのだという。集中して制作していると神経が張りつめてしまい、元に戻るのにかなりの時間がかかるという話だった。
分かるような気がする。集中していた期間の長さから考えると無理ないなと思う。
宮崎さんの集中に仕方の方がはるかに長く、しかもはるかに肉体酷使的なものだと思うが、ぼくには選挙の経験がある。3か月間、選挙に際して自分のもてる力を集中的に発揮し、選挙が終わると集中力のピークが過ぎて、神経の弛緩が始まる。選挙から少し時間が経って穏やかな日々に戻り始めると神経がゆるやかになり、何も手につかないような気力が萎える期間がやってくる。
手につかないというのは、ものをもつのも嫌になり、ひたすら眠りたくなる状態に陥るということだ。
宮崎さんのようにゆっくり回復を図るのはいいだろうな、そんな感想をもった。しかし、そういうような回復の仕方は許されず、結局はだましだまししながらエンジンがかかり始めるのをまつ。回復を待ってくれるような時間的な余裕がなく、少し休んだだけで忙しい日常が始まっていく。
宮崎さんは、2か月ほど崖の上の家で生活していたみたいだ。奥さんには毎日、生きている証として絵手紙を送っていたという。お昼ご飯はあんパン2つ、「これが一番いいというのが分かった」という話は面白かった。
フランスのようにバカンスがあれば、人間の豊かさとか、人間的な回復の仕方とかを豊かに体験し、自然の中の人間というものを感じることができるのではなかろうか。
ジブリの作品に描かれている風景は、実際にジブリのスタッフが見たものがモデルになっている。まったくの創作というものはないという。崖の上のお家で静養していたという体験が、「崖の上のポニョ」を生み出す土壌になったのだから、宮崎さんという人は、骨の髄までアニメーションづくりの職人だということだろう。
宮崎さんの文明論は面白い。何でもお金で買える便利な現在の生活は、自然の摂理を逸脱しているので、こんな異常な世界はいつか崩壊すると言い切っている。自給自足の時代に戻る時がやってくる。その時に、それが人間の運命なんだよと、笑って受け入れるのがいいという話は、何だか妙に納得する。
今日は、2つお通夜があった。議員関係と議会事務局の関係のお通夜だったので、議員はお通夜のはしごをしていた。


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Posted by 東芝 弘明