公の施設と普通財産

出来事,かつらぎ町議会

打田に打ち合わせに行った。話が終わったのは午後7時10分頃だった。車に乗って、24号バイパスを過ぎ、粉河を過ぎてかつらぎに入る直前だった。少し嫌な気持ちになった。
Macを入れた鞄を触ろうとして、左手を回すと手のひらが空気をつかんだ。
後部座席の床にMacはなかった。「しまった」
打ち合わせをした事務所に鞄を置き忘れてきた。
穴伏の旧国道に入って車止めると大音量で電話が鳴った。Sさんだった。
「鞄を忘れたんと違うか」
「今気がついた。取りに戻る」
時計は7時33分を指していた。
車をUターンさせた。
自宅に戻ると8時8分だった。往復に35分かかった。

午前中、臨時議会があった。
議案は専決処分2件、補正予算3件だった。質疑に1時10分前までかかった。
質疑の中で志賀ふれあい会館のことを尋ねた。
9月議会のときに、町長は「宿泊施設は公の施設ではない」と答弁した。ぼくは逐条解説では宿泊施設は公の施設だが、公の施設でないこともありうるという規定になっていることを紹介し、志賀ふれあい会館を公の施設として指定管理するのか、それとも条例を廃止し、普通財産として委託するのかどうかを尋ねた。
町長は、県の指導を受けながら判断したいという答弁だった。

行政が持っている財産につて少し整理しておこう。
行政が保有している財産は、公有財産と呼ばれるが、公有財産は、行政財産と普通財産に分けられる。この内、行政財産は、公用財産と公共用財産に分類される。公用財産には庁舎と試験研究施設がある。公共用財産というのは、利用の面からは公の施設と呼ばれるもので、道路、河川、学校、図書館、公民館、保育所、病院、公園、公営住宅などがある。
行政が建てたもので公の施設でないものがある。代表的なのは競輪、競馬場など。住民の福祉の増進という用途に適しない場合は、宿泊施設なども公の施設から外れることがある。かつらぎ町でいえば、道の駅、椎茸菌床栽培施設、あんぽ柿処理施設、柿の茶屋などは公の施設から外されている。公の施設から外された施設は、分類上の区分からいえば、普通財産になると思われる。
普通財産の定義は、「行政財産以外の一切の財産」となっているので、公用財産でも公共用財産(公の施設)でもない財産は、普通財産にしかなり得ないことになる。
普通財産は、一般の財産と何ら変わらないので、取り扱いについては、個別の法律がないかぎり、民法上の規定に従うことになる。
この考え方でいえば、学校給食の給食センターというものは、財産区分上どういう性格の施設になるのだろう。この問題についてはよく分からない。

公の施設の場合は、条例で施設の名称や場所を規定し設置条例を作り管理方法を定めなければならない。

志賀ふれあい会館に戻ろう。
この施設は、純粋な宿泊施設として作られたものではなく、補助金ないし起債を受けて作られた宿泊研修施設ということになる。この成り立ちからいえば、公の施設としての設置目的と性格を有しているように見える。この施設が、町長の答弁のように宿泊施設として公の施設から外れることになると、条例を廃止し、民法上の財産として、民間業者に管理運営を委託することができるようになる。単なる管理運営委託ということになると、公共料金の規定から外れることになるので、委託業者が自由な料金設定を行えるようになると思われる。公の施設として指定管理するか、それとも公の施設という規定を外し、普通財産として貸し付けられるか、というのは、かなり大きな違いとなる。

本日の質疑では、この違いは大きいことを主張した。


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出来事,かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明