賞味期限切れ3年

出来事

自宅にお昼ご飯を食べに帰った。
部屋に入ると、何かプラスチックが焼けたような、何とも鼻につくような臭いがした。
「臭い。何の臭い?」
おばあちゃんと娘がご飯を食べていた。
「変な臭いするやろ」
娘がそう言い、言葉を重ねた。
「階段を降りて来たらもう変な臭いがした」

エアコンが壊れたのか。エアコンから出る空気が臭いような気もする。
エアコンを切って、換気扇を回して、窓を開ける。冷たい風が入ってくる。部屋の気温がみるみる下がっていくが仕方がない。臭いが薄らいいだのでご飯を食べることにした。
「この高野豆腐、硬いからもう食べんでいいわ」
お婆ちゃんがそう言った。
見ると茶色い高野豆腐の炊いたものが、小皿に分かれてテーブルに出されていた。美味しくなさそうな色だ。
「エアコンが焼けたんかもしれない。でも焼けたら止まるしなあ。変や」
「高野豆腐硬いから食べんでいいで」
お婆ちゃんがさらに娘に話しかけた。
見ると、おばあちゃんがかじりかけた高野豆腐が小皿の中にあった。娘もほんのひとかじりしていた。
小皿をとって臭いを嗅いでみた。
部屋に充満していた臭いが鼻をついた。
これだ。確信めいたものが、胸の中に広がった。
「臭いは、この高野豆腐や」
娘が立ち上がって、ストッカーの中から使いかけの高野豆腐を探して持ってきた。パッケージの上蓋に2010年2月と賞味期限が印字されていた。高野豆腐は、真ん中が窪み、色は黄土色に近い。うっすらと同じ臭いがする。
「おばあちゃん、これ、賞味期限3年も切れてるわ。あかんわ」
娘の声が大きくなった。

かなりの時間換気をした。でも。
夜自宅に帰って、部屋に入ると、まだこの臭いが漂って居た。
高野豆腐の賞味期限3年切れ。乾物の賞味期限切れは恐ろしい?。
勉強になった出来事だった。


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出来事

Posted by 東芝 弘明