出たあ、国の経済対策。

出来事,かつらぎ町議会

議会本会議(2月議会)が開催され、経済対策の補正予算が提出された。総額は7億9358万9000円。今日の予算で、大谷小学校と妙寺中学校、笠田中学校のクーラー、妙寺小学校と妙寺中学校のプール改修、地域福祉センターと防災センターのクーラーなどの予算がついた。妙寺団地の建て替えについても、用地の買収と第一期工事の実施設計の予算が付いた。
妙寺団地については、4期に分けて工事が行われる。建て替えの期間は、平成26年から平成35年までの10年間、建てられる町営住宅は、4階建てないし3階建ての建物になり、総戸数は125戸になる予定だ。町営住宅を建設し運営してきたが、50年以上経った町営住宅を改修する時代に入ったという点で、今回の補正予算は、画期をなしたといえる。今回の補正予算で、かつらぎ町は、すべての学校に冷暖房が実現し、懸案だったプールの改修も実現することとなったことも、記録されるべきものだと思う。

今回の経済対策交付金は、防災関係の事業に対して行われたものであり、交付の算定対象となる事業を国に要望し、それに基づいて交付額が決まるというものだった。国の経済対策の予算は870億円。今回の補正予算で内示を受けた交付額は、1億4034万3000円、この交付金を活用して予算を組んだ事業は8件となった。

今回の経済対策は、交付対象事業と実施事業に違いを設けたところに特徴がある。申請によって交付額は決定されるが、この交付金を活用する段階になると、交付金を活用できない国庫補助事業が発生するという仕組みになっている。交付対象事業ではあるが、交付金を活用できない国庫補助事業については、交付金なしのまま予算が組くまれている。未活用になる交付金については、町単独事業に活用できるというルールがあり、3つの町単独事業が予算化されている。この仕組みによって、支給が決定した交付金の全額を活用している(うーん、文章で説明するとなかなか理解しがたい)。
内示を受けた交付金は全額活用できる。全額活用するためには、町単独事業が必要になる。こう理解すればいいのかも知れない。
なお、国に要望した事業の中には、まだ内示のないものがある。それは、四郷地域につくる物産販売所で、経済対策の事業として認められると、5億円規模の事業になるが、この事業にも交付金が付く可能性がある。
交付金の算定対象になった事業と実際の交付金活用事業を併せると事業総数は14事業となった(申請対象事業11件+単独事業3件、この内、交付金活用事業は8件)。

かつらぎ町は、たび重なる経済対策の交付金を活用しながら、公共工事に関わる懸案事項を解決してきた。今回の経済対策も、1億4043万3000円の交付金を活用して事業を組んだ。国の補助や起債を活用したので、予算を組むために持ちだした一般財源は、5292万3000円となった。この財源は、財政調整基金の取り崩しによって賄われた。
2億円程度の一般財源が必要な事業を5300万円程度の財源で実施できた、というところに交付金のありがたさがある。

地方自治体が、サラリーマンの家庭と全く違うのは、経済対策や補助事業や一部の起債事業(交付税算入という形で財源が後年度振り込まれる)などによって、国や県がお金をくれるところにある。サラリーマンの場合、ソーラー発電などで補助金を受けるケースもあるが、宝くじに当たるか、株でもうけるかしないと、予定外のお金は入ってこない。
地方自治体の「財政は厳しい」というのは間違いないけれど、地方自治体をサラリーマンの家庭と同じ認識で語ると大きな間違いに陥る。今回現金で用意しなければならないお金は5300万円。これで8億円近くの予算を組むのだから、サラリーマン家庭の台所から見れば、魔法のように見えるのではないだろうか。

かつらぎ町は、いつも一般財源の持ち出しの少ない事業を一生懸命探している。事業を探せば国や県からお金が下りてくるものがある。20億円程度しか税金を集めていない上、交付税が30数億円程度しかないのに、110億円以上の会計を組める仕組みがここにある。
「財政は厳しい」という話は、地方自治体のルールによって分析されるべき話であって、町当局の話を鵜呑みすると本当の姿は見えない。住民のために活用できる予算はあるはずだという視点で、自分の住む自治体の財政を分析することをおすすめする。
住民のために予算をどう活用すべきなのか。この視点がきわめて大切になる。


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出来事,かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明