成果主義に構造的欠陥

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経済産業省の研究会(「人材マネジメントに関する研究会」)は、成果主義に対して、構造的欠陥があるという発表をおこなっていた。この報告書には、「現在の成果主義は導入の景気がコスト削減にあった」と指摘しつつ、人件費の抑圧では成果が上がったが、士気向上や業績向上には「思うような効果が上がっていない」と書かれている。
予想しなかった問題点として列挙している点が興味深い。

(1)賃金などの処遇に対する納得感の低下、(2)個人競争激化による共同意識の低下、(3)人材育成機能の低下、(4)現場の疲弊とプロセス(目標達成までの過程)管理の弱体化


この指摘は、ぼくたちがかつらぎ町議会で人事考課制度に対し批判してきた観点と重なるものだ。
成果主義がチームワークを破壊してしまう。目先の成果に追われ人材を育成できない。誰もが納得できる評価をすることは不可能──賃金や処遇に対する不満の増大、労働意欲の低下、こういうものが成果主義によってあふれ出してくるという指摘は、かなり的を射ていたということだ。
この経済産業省の報告が注目に値するのは、成果主義を擁護する側が作った報告書だというところにある。
成果主義によって、日本の経営はより一層矛盾を抱えるようになり、技術力も品質管理も人材育成もうまくいかなくなった。
こう言いきってもいいだろう。
年功序列賃金に変わるものが成果主義だ──という命題そのものが間違っている。年功序列賃金の問題点を修正したり改善したりして、日本型経営を発展させる方がいい。
なぜ、日本の企業は雪崩をうって成果主義導入に走ったのか。そこに深い検討はあったのか。
破滅に向かって誰も彼もが暴走する。みんなが裸の王様に対し、「きれいな服ですね」「立派な服装ですね」という。おかしいと思いながら歯止めがかからない。
成果主義は、アメリカのシリコンバレーのごく一部で採用されたシステム。なのに日本では、多くの産業で導入が進んできた。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
ここに日本独特の特徴があるのかもしれない。


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Posted by 東芝 弘明