9条の会、かつらぎの総会に参加して

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午後1時半から9条の会の総会に参加した。今回の総会では、「読み聞かせ9条の会」の方々の出演を得て民話(和歌山の民話の語り)の朗読や朗読劇「〝消えた〟残雪のような希み」を聞かせてもらうことができた。
僧侶である高岸隆光さん(かつらぎ町在住)の「冬の月」は聞き応えのある話だった。
読み聞かせは、一人芝居に近いような感じがする。地の文と語りの文とを演じ分けて話していく。上手な話を聞いていると情景が浮かんでくる。
「冬の月」は、1編の短編小説というものにまとまっており、聞いている人に深い印象を与える話の内容をもっていた。他の民話は、民話そのものを伝えていくという形なので、お話が、有名なおとぎ話のように完成されていない感じがして、もう少しその先の話が聞きたいと思った。
各地域に残っている話は、短いものも多く小さなエピソードのような話も多い。
作家の書いた民話は、原作的な話をふくらませ、作家の創作を加えているものも多い。その点で、「冬の月」は、話がきちんと組み立てられており、後日譚もあって考えさせられるものだった。
「〝消えた〟残雪のような希み」は、太平洋戦争に至る戦時の中で従軍した田辺利宏さんが書いた詩を読みながら話を展開する構成劇だった。従軍生活の中で詩を書いていた田辺さんは、戦死している人だが、死ぬ前までの詩が、物語の核となっていた。プロジェクターも活用したもので、出演者は、4人だった。メインの朗読をつとめた方は、別院丁子さん、サブが田原美栄さん、美濃良和さんだった。美濃さんは紀美野町の日本共産党町議会議員だ。美濃さんが読み聞かせをしているとは知らなかった。
後で話を聞くと読み聞かせのキャリアは10年ぐらいになるという。
読み聞かせは、習ってみたい分野だ。今回の催しは、総会前の第1部としておこなわれたものだが、こういう行事を通じて輪が広がっていくのは嬉しい。
憲法9条を守り、国際貢献は9条を活用した積極的なものに。こういう姿勢を打ち出していくことが大切だろう。日本は、アフガニスタンでも他の国でも民間レベルでかなりの国際貢献をおこなってきた。国際支援というのは、軍事的な支援の分野もあるが、非軍事の分野もある。国際支援で一番大切なのは、戦争後の生活の再建だと思う。土木や医療分野の支援、教育分野の支援、福祉分野の支援、経済の復興支援などすべきことは山ほどある。9条で国をつくっていくためには、非軍事の分野で積極的な国際貢献をおこなうことが日本の信頼を得る道ではないだろうか。
自衛隊が海外に出て軍事行動をおこなうよりも、平和的な分野の支援の方が多くの人々に喜ばれる。日本は、戦争をしない国として、平和と国づくりを支援する国として、国際社会の信頼を得、国際的な信頼によって守られる道を選択すべきだと思うがいかがだろうか。
この点でよく知らないことを1つ書いておこう。
それはキューバだ。あのキューバは、アメリカから経済封鎖を受けながらもなぜ生き残ってきたのだろうか。アメリカに軍事的な対抗をおこなっても勝てるはずがない。経済力はアメリカと比べると極めて小さいので、軍事力増強の道でアメリカに対抗しても展望は開けない。
キューバの軍事力を紹介しよう。これは外務省のページからのコピーだ。

(1)国防予算 13億ドル
(2)兵役 徴兵制
(3)兵力 49,000人(陸軍3.8万人、海軍0.3万人、空軍0.8万人)
(ミリタリーバランス 2005/2006年)


これだけだ。4万9000人というのは、もしかしたら在日米軍と同じぐらいの人数だ。
主要産業の紹介は、こう書いている。

観光業、医療サービス、農業(砂糖、煙草、柑橘類)、鉱業(ニッケル)、水産業


医療が主要産業だというのは驚きだ。医者の養成をどんどんおこない、全世界にキューバの医者を派遣して、国際貢献をおこなっている。アメリカ人でもキューバに行けば最良の医療を受けることができる。費用負担はほとんど発生しない。
ぼくは、キューバの最大の安全保障は医療ではないのかと思っている。医療分野での平和的な貢献が、あの小さいキューバを守り続けているのではないか、ということだ。
日本の国際貢献の参考になるのではないだろうか。
外務省によるキューバの経済についての見解も引用しておこう。ぼくには、この外務省の分析がどれほど的を射ているのかという判断はできない。

(1)ソ連・東欧圏の崩壊で、1990年代前半のキューバ経済は大幅なマイナス成長を記録。この経済危機を克服するため、キューバ政府は外貨所持解禁、個人営業の拡大、農産物自由市場の創設等、部分的に市場原理に基づく経済改革を導入したが、国民の所得格差の拡大、国営企業内の汚職蔓延等の問題が深刻化したことから、2002年末頃より党主導による中央集権化及び経済引き締めを強化。また2005年11月、カストロ前議長が汚職問題を解消しなければ革命が内部から崩壊する可能性があると警告したことに伴い、徹底した汚職撲滅運動を展開。
(2)近年、国民間の不平等の拡大、個人のイニシアティブの縮小、潜在的失業の増大等により国民の経済的不満が増加。
(3)2008年2月、ラウル・カストロ議長は、議長就任直後の演説において、経済改革及び行政効率化の必要性について言及した。同議長はこれまでの演説で、硬直した官僚主義と非効率な経済システムを批判するとともに、生産性の向上が不可欠である旨訴えてきている。
(4)2004年11月から、キューバ中央銀行令により、米国政権による送金規制強化などの経済制裁強化に対抗するためとして、キューバ国内における米ドルの流通が禁止され、兌換ペソの使用が義務づけられた。2005年3月、兌換ペソに対するキューバ・ペソ(キューバの国内通貨)が7%切り上げられ、同年4月には米ドルに対する兌換ペソが8%切り上げられた。
(5)2005年頃から海外への医療サービスの提供が新たなビジネスに成長したことやベネズエラ及び中国との貿易額増加、好調な観光業等を背景に高い成長率を達成(2006年:12.5%、2007年:7.5%(政府発表))したが、2008年は世界的金融危機やハリケーン被害等により成長率は4.3%に留まった。
(6)現在ベネズエラはキューバの最大の貿易相手国。キューバはベネズエラから日量約10万バレルの原油を特恵条件で輸入する一方、ベネズエラへの医療サービス提供による収入が年々増加。ベネズエラの石油精製技術のキューバへの導入や、ベネズエラの協力による燃料油タンク及び石油精製所の建設等、ベネズエラのプレゼンスは大幅に増大している。
(7)外資によるニッケル産業及び石油産業への投資が増加。特に中国は、ニッケル産業に5億ドルの融資を約束した他、原油採掘事業に参入。キューバ沿岸における石油掘削にはカナダ、ブラジル、インド等の企業も関心を示している。
(8)2008年6月時点では、234社の合弁企業が活動。合弁企業数は年々減少傾向にある。外資系企業の撤退は、キューバ政府が中央集権化及び経済コントロールの強化政策に転じたこと、また、キューバ側がベネズエラ及び中国のようなエネルギー、鉱業分野への大型投資を求めるようになっていること等に起因。
(9)2002年、政府は砂糖産業の再編を行い、砂糖工場の約半分を閉鎖。しかし、政府は、近時の砂糖国際価格の高騰を受けて、砂糖産業の縮小傾向を改め砂糖増産に努めている。
(10)債務問題に関しては、2001年4月のパリクラブにおけるリスケ会合において、債権国側とキューバ側が合意に到らず、その後、交渉の再開に向けた進展はなし。


ぼくは、引用の(5)にアンダーラインを着けた。医療は、間違いなしに経済成長に貢献しているらしい。医療分野で国際貢献しているし、経済活動として成り立っていることが読み取れる。


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Posted by 東芝 弘明