これからのまちづくり

雑感

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短編小説ばかり読んでいたのを中断して、人口減少問題について集中して取り組もうと思っている。12月議会との関係でいえば、オンデマンド交通のことをテーマにして、一般質問を行うことを考えている。
今年の町議選挙の時に、最も切実に感じたのは、病院や買い物について、移動手段をどうするのかということだった。高齢化が進んで、空き家が増えているとともに、足腰の悪い人が多くなって、移動が極めて困難になっている人がものすごく増えていた。

この問題に取り組むために、さまざまな角度から問題を掘り下げ、腰を据えて問題点を明らかにしたい。選挙をたたかいながらこう思ってきた。手に入れた本は、6冊程度ある。10月と11月、これらの本を読みながら視野を広げ、深めたいと思っている。

問題点は多義に渡る。
今日はまちづくりについて、考え方を展開してみよう。
ただ、現時点では、構想というよりも妄想に近いが、この妄想をできるだけ具体的に書いておきたい。
空き家が増えている。老朽化も進んでいるので、全ての空き家を活用するのは不可能だ。いつかは除去しなければならない家も出てくる。もちろん、家々はすべて私有財産なので、行政が勝手にどうこうできるものではない。このことを前提に物事を考える。
まちづくりの基本は学習にある。自分たちの認識だけで、まちづくりや地域おこしを考えるのではなくて、全国の経験や外国の経験も踏まえて、視野広く柔軟に考えることが大切だ。
このエリアを市街地にする、ここを公園にしたい、というような構想を住民たちの話し合いによって組み立てる。それこそ20年計画、30年計画という長いスパンで。大切なのは、こういうことを可能にしていく組織作りだ。世代を超えて議論の蓄積が受け継がれていくような組織が必要になる。公民館を軸に、まちづくりの協議会を作るということになるが、その会議は、子どもからお年寄りまで、みんなが自由に集まって協議できる仕組みにする。計画が受け継がれていくためには、年度の初めに議論の経過説明を必ず行う必要がある。
公民館が学習機能を担いながら、自治体と住民が一緒になって地域づくりのプランを組み立てる。そのために、まず基本的なたたき台を作る。原案は少人数のグループで作成する。これを作成するには、集中した取り組みが必要になるが、一旦住民に提示したたたき台は、長い時間をかけて検討する。たたき台はやがて換骨奪胎されていく。
このようにして、住民たちは、長い長い時間をかけてまちづくりの計画を作る。それこそ世代を超える時間をかける。具体化はできるところから徐々に始める。10年経ち、20年経ったときに目に見えてくる地域の姿は、住民の意向を反映したものになり、形成される地域の形の中には、住民の知恵が活かされるようになる。子どもたちが、大人になったときに、この道はぼくたちが子どもの時代に提案して実現したものだ、というようなものをつくる。
人口減少に伴って、コンパクトな街を作る必要もがある。しかし、それは長い時間をかけて実現するものになる。
日本の地域の中に、文字通り住民に手によって街を造ったという例を作る。イメージにあるのは、イタリアのボローニャだ。

地方自治体は、住民の計画を徹底的にサポートする。この組織は、入れ替わっていく住民の組織に対し、安定的に議論の経過を把握し提示する役割を果たす。自治体がこういう任務を担えば、世代が移り変わっていっても、議論と経験が引き継がれていく。
イタリアには、5歳の子どもの考えが取り入れられた公営住宅がある。その公営住宅には、階段の横に滑り台が備え付けられている。5歳の子どもたちの意見が、毎年積みかさねられ、それをもとに大人が設計をしたのが、この公営住宅だ。日本にはこういう発想が皆無に等しい。しかし、住民の意見が実際のまちづくりの基本となって、街が形成されていくのは、ものすごく面白い。

焦る必要はない。時間をかけて議論をすることに意味がある。


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雑感

Posted by 東芝 弘明