聞く力

雑感

昨日は母の命日だったので、お供え用のおまんじゅうを買って、仏壇に供えて手を合わせた。今日から冷え込んでくるという天気予報だった。冷え込んでくると母の葬儀のことが思い出される。
人にとって、父や母の死に対しては、いろいろな思いがあるだろう。年齢を重ねると人々の胸の中には、数え切れないほどの思い出が折りたたまれていると思うようになった。きれいにたたみ込まれた思いは、引っ張り出して広げると鮮やかな色彩をもって目の前に蘇ってくる。
涼しい顔をして生活している人にも、いろいろなことが顔の裏に仕舞い込まれている。
そういう思いを聞いてみたい。いろいろな人の人生に寄り添って、思い出につきあえば、そこには豊かな話が待っている。

人がじっくりと他人の話を聞くことは少ない。人と人との付き合いは、極めて軽い接点で終わっている。深い湖のように一人ひとりには歴史があるのに、日常の付き合いは、平たい石を水面に沿って投げるように、水を弾きながら点々と飛んでいくようなものだ。
「私にはあなたの話をじっくり聞く用意があります」
というような気持ちを、きちんと意識の中に宿して、一人ひとりと接していきたい。そういう意識を持って人と接することによって、つき合う深さは変わってくるように思う。
自分が他人に伝えたい思いというものがあるのだろうけれど、自分の言いたいことをまくし立てるのではなくて、いつも「あなたの話を聞かせていただきます」という姿勢の方が、自分の人生を豊かにするように思われる。
アンテナがあればいい。「あなたの話を聞かせていただきます」というようなアンテナを立てて人に接していけば、人は心開いて話をしてくれるのかも知れない。ちょっとしたきっかけで、その人の物語に入ることができれば幸せだと思われる。

テレビのインタビュー番組で、相手の話を聞く人の中には、達人のような人がいる。「徹子の部屋」の黒柳徹子さん。「サワコの朝」の阿川佐和子さん。Aスタジオの鶴瓶さん。これらの人の話を聞く力はすごい。聞く力を磨くためには、心理学を学ぶのがいいのかも知れない。
いろいろなスキルを身につけるということを考えると、独学で学ぶのには限界がある。技術の取得となると、人による人への教えという場がどうしても必要になる。もちろん、教えがあり、独習がありというなかで技術は伝わる。本によって自分だけで、解釈して技術を学ぶというのは難しい。

熊取町の江川けいこさんの琵琶演奏を見て、思うのは、自分も何か技術の習得というものに挑戦してみたいということだ。聞く力を磨きたい、面白い話ができるようになりたい、腹式呼吸を身につけたいなど、今の時点では議員の活動に生きるようなものを学んでみたい。
日本共産党の議員の政策立案能力の身につけ方。これについては、ぼく自身講師が出来るかも知れない。


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雑感

Posted by 東芝 弘明