橋本市の水道料金値上げの話

雑感,出来事

朝、上下水道課に行き話を聞いた。上水道の整備計画は、将来にわたって耐用年数を考慮に入れ、拡張と維持・管理・更新のための計画を作るということで計画されたものだ。この計画どおり事業を展開すると、水道料金の値上げは避けられない。しかし、住民の暮らしに直結している水道事業に対し、水道の事業のことだけを考えて料金設定をするというのは、論外だと思われる。
担当者は、
「幹線については、事前に改修を行って、水道管が破裂するなどの事態を避ける必要があると思いますが、支線については、壊れたら直すという方法を採りたいと考えています」
そう答えた。これが実際的な対処の仕方だと思われる。水道事業でバランスが崩れているのは、利益は上がっているのだけれど、維持・管理に必要な投資が、利益以上に求められつつあるというところにある。利益に応じた設備投資を推進すると資金が足らない。したがってだましだまし耐用年数が過ぎた物でも活用して、ということになる。

水道事業は、公営企業法に基づいて行われて来たが、建設事業については、国による補助事業やそれに伴う起債の制度があって管理されてきた。公営企業とはいえ、住民の100%負担で飲料水を供給することは困難なので、国は税金による補助を行って、市町村の水道事業を支えてきた。これを近年は、独立採算を徹底して補助金を廃止し、会計も民間企業と同じ方式に改め、公的資金の投入についても会計を組み直して、見えるようにした。完全独立採算方式のような形にして、国の公的資金を注入しない制度にした上で、整備計画の策定を求め、水道料金の引き上げを迫るという形だ。

となりの橋本市は、このような状況下の事業をまともに、まじめに全面的に実行しようとしている。これを行ったら水道料金の値上げは避けられない。打ち出されてきた一つの案は、10㎥で2400円、11㎥から196円の超過料金(いずれも消費税8%、内税)というもの。実施は来年の10月1日から。消費税が10%に増税されると、さらに2%分が上乗せされるようになる。

上水道事業は、かつらぎ町も橋本市も黒字だが、橋本市の方が会計状況はいい。橋本の計画は、橋本市の水道事業会計のことのみを考えて、料金設定をしている。部長は値上げ案に対して、「市民には理解していただきます」と強気で答弁している。国の方針によって、他の自治体でも今後水道料金の値上げが問題になってくるだろう。その中でも橋本市は、県内の他の自治体が全く足を踏み入れていない状況に突き進もうとしているのではないだろうか。
わが家の9月分の使用水量は28㎥だった。かつらぎ町の水道料金は4850円、橋本市の場合、現行料金は4980円、値上げ後は5920円になる。橋本市が値上げした後のかつらぎ町との差は、1070円、橋本市が高くなる。
橋本市の今回の値上げ案は、A案とB案があり、B案が採用されると水道料金はさらに高くなる。紹介したA案は、橋本市にとってはまだ「かわいらしい」「ちいさい」ということだから驚く。審議会では、おそらく低い方のA案が採用されるのではないだろうか。

橋本市の水道料金は、県内の自治体で第4番目の高さ、9つの市の中ではトップ。これが値上げによって県内トップに躍り出る。核家族、高齢化、少子化の中で独居老人や夫婦2人暮らしの家庭が多くなっているので、家庭の平均使用水量は20㎥程度。20㎥の使用水量で4000円を超える水道料金を設定しようとしているのは、県内では橋本市のみだ。国民の年金が減らされ、働く者の所得が減っている中で、消費税増税と歩調を同じにして、水道料金を大きく引き上げる。これは暴走政治ではないだろうか。

市民の暮らし忘れて料金値上げ

安倍政治の暴走が、市町村を破壊しつつある。この中で暴走に手を貸す自治体も生まれている。近隣市町村がそうならないよう、日本共産党はがんばらねばならない。


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雑感,出来事

Posted by 東芝 弘明