福島原発事故─矛盾の突き合わせ

雑感

読売新聞の読者なので、福島原発事故の工程表について、「第一段階」ほぼ達成という記事を読んだ。この一方で、牛の内部被曝でセシウムに汚染された牛肉が流通してしまったという記事が出ている。
工程表の「第一段階」がほぼ達成したので、19にちにも新工程表が発表される予定になり、放射線量が着実に減少していれば、「緊急避難準備区域」の指定を解除するという記事だった。
測定結果を待ちたいし、解除されることも願っている。
しかし、牛肉の汚染についての記事が気になる。
毎日新聞を引用しよう。

セシウム汚染牛:「福島から牛がいなくなる」畜産農家悲鳴
 またしても肉牛の汚染が問題に--。14日、高濃度の放射性セシウムを含む稲わらを食べさせていた福島県浅川町の農家から、4月8日以降に42頭が出荷されていたことが判明。しかも稲わらがあったのは、福島第1原発から約75キロも離れた白河市だった。県内の畜産農家からは「このままでは福島から牛がいなくなる」との悲鳴が上がり、出荷先の自治体は流通経路の確認に追われた。
 今月8日に牛肉の出荷自粛要請を受けた南相馬市。原町区で10年近く畜産農家を営む男性(34)は「浅川町は原発からかなり離れており、まさかという気持ち。餌を県外産に変え、県内のすべての餌を調べて結果が出るまで出荷させないなど、すぐに手を打たないと、このままでは福島県産の牛は信頼をなくして一切売れなくなる」とため息をついた。
 東京都には6月16日までに計13頭が出荷されていた。都福祉保健局では福島県からの一報を受け、担当者が緊急に集まり、追跡調査の進め方などを協議。幹部の一人は「まず問題の牛の個体識別番号を入手して、流通した肉を地道に探し、見つけたら検査していくしかない」と話した。

75キロも離れた白河市の麦藁が、セシウムに汚染されており、その麦藁を牛が食べたことによって、内部被曝したということだ。
国が責任をもって、福島原発がどのような状態にあるのか、ほんとうに放射性降下物が、現在、大気に流出していないのかどうか、慎重に測定し、事実を見極めてほしい。そうでないと政府への疑念は消えない。
最近、人ごとのような見解や解説が多い。矛盾しているのに突き詰めて問題点を明らかにしない。矛盾を突かれたら、「私はそうは思いません」などと言って、事態を深刻にとらえなかったりする。そういう対応に対しマスコミは問題点を明らかにしないで、両方の見解をたれ流すこともある。今回の第一工程ほぼ達成という記事と、牛肉の汚染をつき合わせて考えないのも、この一例ではないだろうか。
放射性降下物(死の灰)の拡散状況について、政府は自治体の協力も得て全国調査をおこなうべきだろう。どのような事態になっているのかを明らかにする責任は、政府にある。


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雑感

Posted by 東芝 弘明