人事異動で机を移動 2005年4月1日(金)

かつらぎ町議会

赤旗新聞の購読を増やそうということで、11時30分すぎに役場に行きました。
結果はだめでした。
そこで話になったのは、お年寄りの負担増です。この2月から公的年金に対する老年者控除の廃止で非課税だった方々に所得税がかかったり、所得税の負担が大幅に増えたりしました。これが来年度は住民税に跳ね返り、住民税への跳ね返りが国民健康保険と介護保険の引き上げにつながります。
介護保険は今年度見直されるので、来年度は、保険料負担が増えそうです。この負担増の上に、所得区分が上がることによって、負担が増える人が続出しそうです(現在、本人が住民税非課税の場合の介護保険料は、基準額となっています。住民税を課税される方が増えるので、保険料負担が1.25倍もしくは1.5倍になります)。
給付の方は、要介護の方々への家事援助がなくなるようです。このサービスは、今後福祉サービスに変更され、サービス計画は、保健師がたてるようになるそうです。サービスの提供機関は、介護サービス事業所なので、同じヘルパーが同じ住民に対して、「家事援助はできなくなりました。今日からはパワーリハビリをおこないます」という事態が起こりうるということです。
国は民間活力の導入、新しい市場の創出だといって介護保険を導入し、その一方で医療のような金食い虫をつくらない、サービスをコントロールするという介護独特の制度をつくりました。サービスを受ける前に、サービス量を決めるというシステムがこれです。
しかし、民間活力の導入・市場の創出とサービス量の抑制は、そもそも根本的に対立しています。一方は、「営利を追求したい、もしくは倒産したくない」といってサービスを提供し、給付を伸ばします。国は、「給付増の背景は、適切にサービスを供給していない側面がある」といって抑制にかかります。結局は、この矛盾を住民の側にしわ寄せして、負担を増やし、サービスを切りすてようとしています。これでは、介護保険そのものに未来がなくなってしまいます。
”国の保険への負担を増やさないと問題の解決はない。”
これこそ真理ですよね。
超高齢化社会が目前に迫っているのだから、社会保障の総枠を高齢化社会にあわせて増やさないとやっていけないのは当たり前です。日本はこの当たり前のことをしないで、社会保障の予算総額を抑制しようと躍起になっています。この施策を続けると1人当たりの社会保障給付額は、下がらざるをえません。
”痛みの伴う改革に未来なしです。──傷みの果てには地獄がある。”

役場は、4月1日の人事異動で、机の移動や事務所の移動をおこなっていました。下水道が上水道といっしょになり、上下水道課ができました。都市計画課が廃止され、公園と街路事業(かつらぎ町の都市計画には、この2つの事業と下水道事業しかなかった)は、建設課に統合されました。
建設課に午後4時過ぎに行くと、机の並び替えを終えていました。かなり大人数の課になる感じです。この機構改革にともなって、課の配置換えもおこなわれます。明日、明後日の土・日を利用して引っ越しが本格的に行われるという話です。
町の行財政改革は、規模の縮小をめざします。この10年間の人員の削減目標は85人。スリム化の方針は、課の統廃合による縮小なしには実現不可能です。
職員の退職にともなう職員採用をおこなうようですが、10人辞めても3人しか雇わないというような方法で縮小をめざすことになります。
事業の根本的な見直しも問われています。見直しによる縮小・廃止もあるでしょう。しかし、大切なのは、縮小をすすめながらも、新しい事業展開をおこない、サービスの向上をめざすということです。言葉でいえば、経費を削減しながら、新しい事業にも取り組み、サービスの向上もはかるということです。
しかし、そんなウルトラDはできるでしょうか?
どれだけ、知恵を使うかが問われています。
事業の目的とねらい、事業を通じて何を実現するのかを明確にして施策を運営するということと、他の課の事業との連携を探るということが大事だと思います。役場の課は、縦割り行政という形態をとっています。長年生命力をもってきたこのシステムは、理にかなっている側面が多く、専門的に事業をすすめるためにはどうしても必要なシステムでした。
しかし、このシステムには、ご存じのとおり問題もあります。横との連携が少なく、バラバラだということです。
施策を受けるのは住民です。住民自身は総体的なものですから、縦割り行政のサービスは、住民のところで統合されるということです。
住民の目線でものを見ていたら、課と課の連携の姿も浮き彫りになります。
課と課の連携をキヤノン流にいえば、縦割りのシステムに横軸を通すということになります。「キヤノン式」という本によれば、キヤノンは縦割りを壊すのではなく、この縦割りをふまえて、縦割りに横軸を通したということです。
”如何にして横軸を通すのか。”──です。
徹底的に事務事業を見直していけば、漫然と進めている事業にも新たな光が当たります。光を当てて、そこに新しい発展の契機を発見できれば、再生や活性化もできると思います。
今年、かつらぎ町は、コンポストと生ごみの処理機に対して補助制度を導入しました。ごみ質の分析と分別を進めてきた中で、いよいよ生ごみをどうやって減量するかというところに目がいきました。よく考えているなと思うのは、補助事業を実現したら経費増になるけれど、この事業で生ごみを年間一定量削減できれば、焼却ごみを縮小でき、経費の削減につながります。
「2年目からは、事業効果が出て、全体の処理経費削減が実現できる」
──これが課長の言い分でした。
これこそ、スクラップアンドビルドだと思います。
”規模の縮小の中にも新しい希望あり。”──これを実現しないと暗い話ばっかりになります。


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かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明