地方議員団の学習会 2005年5月25日(水)

出来事

朝10時から御坊市で日本共産党の和歌山県地方議員学習会が行われた。橋本市議の2人とかつらぎ町議2人の4人で車を乗り合わせて御坊市に向かった。1時間45分ぐらいで現地に到着した。御坊市は、大きなチェーン店がたくさんある街だが、なんだかのんびりした雰囲気がある。10時前の町並みは、まだ多くの店が開いていないこともあって静かだった。
午前中は、介護保険の分科会に参加した(講師は党中央政策委員会の榛田敦行氏)。私の前には、御坊市議の田端範子さんが座っていた。
今国会で審議されている介護保険の制度改正は、国民の負担を確実に増やすものになっている。食事と施設への入所関係の費用(ホテルコスト)が介護保険から外されて、100%住民の負担となる。収入が国民年金だけしかない人で介護度の重い方は、入所経費が国民年金の支給額を超えるので、入所できないことになる。
国が介護保険の支出を減らすために打ち出したのが、要支援者へのサービス抑制政策だと思う。今度の制度改正で、要介護度1と認定された人の中で、要支援2になる方が大量に生まれる一方、要支援だった人が要支援1というランクに位置づけられる。そしてこれらの方が受けていた家事援助サービスが原則として受けられなくなる。家事援助は、単に家事を本人に変わっておこなうだけで、自立を支援するようなサービスになっていないというのがサービスを廃止する理由だ。
しかし、この理由は、現実をきちんと把握していない。ある調査では、6割の方が現状維持ないし、状態の改善に効果があるという結果が出ている。
家事援助に変わるサービスは、筋力トレーニングと口腔指導、栄養指導ということになっている。しかし、口腔指導や栄養指導は、毎週定期的におこなわれるものではないだろう。結局日常のサービスとして残るのは、筋力トレーニングだと思う。
筋力トレーニングが効果を生み出す場合もあるだろう。しかし、本人がそれを敬遠したり、身体的な痛みを訴えてサービスを拒否する場合、事実上介護保険サービスから除かれることになる。家事援助は必要性があって広くおこなわれているサービスだ。この意義を認めないで、生活が支えられなくなった場合、訪問介護さえなくなり、目が行き届かなくなることも考えられる。
国は、要支援の方々がサービスから閉め出されて介護保険を活用しなくなれば、経費の削減につながるから、それでもいいと考えているのかも知れない。
3年毎の見直しが積み重ねられて、3度目の計画が各市町村ごとに立てられようとしている。3度目の見直しで、介護保険はますます矛盾を抱え込もうとしている。
こういう制度改正の話を分かりやすく講師の方はお話ししてくれた。
午後は、三位一体改革の講演だった(講師は党自治対局次長の今田吉昭氏:写真は休憩中のときのもの)。かつらぎ町は、この2年間で幼稚園と保育所の統廃合、3年目から小学校の統廃合に取り組み、さらに各種施設のあり方も検討することのなっている。職員給与も5%カットされた。自律をめざす計画を立てなければならないが、行政改革という点でも、従来にない未体験ゾーンに入りつつある。
ある区長さんが、尋ねてくれたことがある。
「東芝議員は、幼稚園・保育所・学校の統廃合についてどう考えているのか?」
「統廃合は必要だと思っています。問題は、どうやって住民合意を形成しながらすすめるかです。山間部にとっては大変な問題ですから簡単にはいきません」
こう答えた。
映画「未知との遭遇」は、ラストシーンで巨大なUFOに出会うところで終わったと思うが、財政難が引き起こす事態は、この映画を超えた「未知との遭遇」になりつつある。
はっきりしているのは、「かつらぎ町発足以来、小学校を統廃合した町長はいなかった」ということである。
どのような答えを出すのか。私たちの前には、全体像の見えない大きな黒い固まりがそびえ立っている。
パンドラが箱を開けると、すべての災厄が世界に飛び散った。しかし、箱の底には希望が残った。私たちは、住民といっしょにパンドラの箱を開けなければならない。そして、底に残っているはずの希望を育まなければならない。
そうそう、今日の学習会で田辺市議選挙で当選した川崎さんにあった。カラーの名刺をもらった。この写真がそうだ。フラッシュをたいたら、光が跳ね返ってしまった。ボールペンは、発送した次の日のお昼に届いたらしい。喜んでくれていた。


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出来事

Posted by 東芝 弘明