一般質問終了、人事提案 2005年9月22日(木)

出来事

一般質問のトップバッターは、宮井健次議員。ぼくは2番手だった。
原稿は、A4の用紙で15枚。1時間の質問でいえばちょうど良い分量だった。
質問のテーマの1つは介護保険。
かつらぎ町の介護保険には、保険料の軽減制度がある。しかし、この制度はまったく使われないまま、現在に至っている。今回の質問では、足立区で実施している軽減制度を参考にして、改善を図り実施すべきだという提案をおこなった。町長は、前向きに検討するという態度を示した。
これは一歩前進だった。
この質問の中で増税計画の話をし、夫240万円、妻60万円、年金300万円の夫婦で、増税計画がすべて実行に移され、消費税まで10%に引き上げられたら、約40万円の新たな負担増になることを紹介した。
この増税を避けるためには、大企業に負担をかける必要がある。
しかし、こういう話をすると異論が出てくる。
経済学者の山家悠紀夫さんが、このことに対して論文でこう書いていた。
「日本の国民一般は、非常に大所高所からものを考えるのが好きだというか、周りに気兼ねして、こんなことをしたら企業がつぶれる、こんなことをしたら日本がダメになるとかいって、一生懸命、自分の外にあるものに配慮して自分はジッと我慢している、その結果、生活が立ちゆかなくなってもしようがないということになっている」
実際、大企業に減税して、国民にはものすごい増税がおこなわれても仕方ないという方も多い。300万円の年金収入から新たに40万円も税金を取られても仕方ないというのは、ものすごい話なのに、「仕方がない」という意見は消えてなくならない。
日本の国際競争力は世界一。大企業は空前の利益を上げているというのが事実だ。それでも大企業への減税と庶民増税がいっしょに実行される。本当はこういう図式なのだ。
山家さんはこう訴える。
「国際競争力がなくなって経常収支が赤字になったりすることは、当面、起こり得ないことです。……いま心配すべきは、身近な生活が悪くなることを防ぐことです」
ほんとにそう思う。自分たちの生活のことをもっと考えるべきなのだ。
むしろ、国民の所得を引き上げて、国内の市場をもっと拡大するほうが、大企業に収益をもたらす。今はその逆の方向に企業は突っ走っている。リストラで経費を削減してコストダウンをはかり利益を伸ばしているが、この方法だと、輸出で儲けをあげないと景気は回復しない。
2つめの質問では、内発的活性化のために農業分野で地産地消を進めようと提案した。
地域農業を活性化するためにまず、大学教授に地域調査をおこなってもらおうという提起を具体的におこなった。
これも、おおかた同意を得られた。
5人の一般質問が終わって、5時頃から全員協議会が開かれた。
町長の方から花園の村長だった北浦亮三氏を収入役として27日に提案したいという話があった。かつらぎ町は現在、収入役を廃止している。
収入役を廃止した理由は、財政が厳しいから収入役をおかずに、助役が兼務するというものだった。
収入役の廃止を決めた2年前の財政状況よりも今の方が悪い。
結局、合併の結果、花園村の村長は、かつらぎ町の収入役になり、助役は花園支所の支所長(臨時任用職員)、花園村の収入役と教育長も花園村の施設にポストを与えられて臨時職員として雇用されることになる。
村会議員も在任特例で全員かつらぎ町の議員になり、村の4役も全員ポストを与えられるということだ。昨年12月に、町は、財政健全化計画を作り、幼稚園や保育所の統廃合を打ち出し、学校の統廃合まで打ち出し、今年度予算は、この計画にもとづいて徹底的な経費削減をおこない、それでも目標達成ができないといって職員給与を5%カットした。
「財政難でもありますが」
町長はこういった。
合併外終わったら、議員と4役クラスの幹部連中は、みんな落ち着くところに落ち着こうとしている。
提案を聞いていて、腹が立ってしかたがなかった。
職員と町民には厳しく。幹部は甘くやさしい。傷口をなめる猫のように。
これがかつらぎ町の現実か。


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出来事

Posted by 東芝 弘明