マイナンバーカードについて知りたいこと

雑感

マイナンバーカードの根本的な問題は、情報の分散管理にある。国は情報を一元管理しないで分散管理を選択した。そうであるならば、どのようにして情報を管理するのか、国はこの仕組みを構築すべきだった。分散管理であってもどうしても必要な仕組みの一つは、政府によるコールセンターと、トラブル発生時のリアルタイムにおける解決方法である。この仕組みを全く構築しないまま、分散管理だから大丈夫だといってスタートし、膨大なトラブルが発生した。

毎日のように起こっているトラブルの中で、紐付けの誤りは、できるだけ早く訂正し続け、誤りがないようにしなければならない。例えば銀行口座の紐付けの間違いは、公金の交付に関わっているので、速やかに誤りを正す必要がある。公金の交付先になる銀行口座の紐付けの間違い14万件を正すためには、氏名の違う本人に対して、訂正するための文書の発送と改善を行う必要がある。これがどのようにして進められているのかという情報が伝わってこないのは、一体どういうことなんだろう。

口座の紐付け間違いは、かつらぎ町民の中にも存在すると思われる。スマホで操作した人の場合は、何のエラーもなしに本人でない講座を登録できたのだから、本人でない口座への誤登録はあるだろう。自分で口座と紐付けした人の中で、小さい子どもの講座を作らず母親や父親の口座に結びつけることは可能だったのだ。そういう人々に通知が届き、改善作業が始まっているのかどうかを教えて欲しい。

問題なのは、国が具体的に全ての誤りを把握できるシステムを作らないと、国民の個人情報の安全な管理はできないということだ。今公式に伝わっている対処方法は、秋までの総点検と、本人によるマイナポータルにおける確認という話だ。本人が、自分で誤りに気がついて、国に報告すれば直ちに改善がなされる仕組みがあるのかどうか。全ての誤りに対する統一的な連絡先が確立しているのかどうか。このことも知りたい。

デジタル庁には、マイナンバー制度に関するお問い合わせとしてフリーダイヤルが設置されている。
電話番号は 0120950178 だ。
ただし、ここに電話を入れると誤った紐付けが解決できるというような趣旨は明確には書かれていない。これができるのであれば、このことをもっと前面に出して国民に呼びかけるとともに、毎日のように改善の報告が発表されてもいいはずだ。どのような仕組みを持ってトラブルを解決しようとしているのかーーこれがなかなか見えない。

マイナンバーカードは便利だよと大宣伝して、2万円のニンジンをぶら下げてカードを普及したのに、大事な個人情報を管理し保護する仕組みを、国は考えなかった。演劇の舞台装置のように、マイナンバーカードのシステムは、裏から見るとハリボテなのか。それとも底の抜けたバケツなのか。

国が紐付けされたデータに対して、誤りをリアルタイムで訂正できるシステムを作ろうと思えば、全データの集中管理が必要になる。分散管理のもと、デジタル庁で一体何をどう改善しようとしているのか。そこを知りたい。


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雑感

Posted by 東芝 弘明