中阪町長、無投票当選

雑感

本日の議会だよりは10時開会に日程を変更して行われた。町長選挙の告示日だったので、開始の時間を変更することになった。中阪町長は、2期目の選挙に立候補し、無投票選挙で当選した。町民のために働きたいという思いは鮮明で、歴代町長とは違って、子育てや福祉に対する姿勢は鮮明であり、生涯学習を重視し公民館活動の発展を図りたいという意思も鮮明だと思う。

地方政治を守る、住民自治を貫くという点はどうか。ぼくは、日本国憲法には、世界史の中の歴史的到達点を反映した偉大な成果が含まれており、この憲法の精神を国民共通の理念や哲学にすることはできると思っている。これを地方自治に生かすことがかなり重要な意味をもっていると思っているが、こういう観点はかなり弱い。この点が鮮明になれば、地方自治とは何かという点も自ずから鮮明になるが、ここが弱いので政治の基本的なスタンスが定まらないように見える。
宮井議員が提唱した住民との協働というのは、住民自治と団体自治を積極的に結合させるとともに、住民自治を基本にしつつ、つまり住民主権を基礎に自治体を発展させるというものに他ならない。住民自治と団体自治は、地方自治の本旨として憲法に規定されたもの。住民自治は、地方自治法の直接請求権などの規定にはとどまらず、どのようにして住民の自治の力を活性化していくのかという課題だと思っている。住民自治の担い手は住民だが、住民がさまざまな形で組織を作り、自治体にも関わってくることを積極的に促進することも住民自治の発現として重要な意味をもつ。住民の中にある団体は、ただ単に行政と住民の橋渡し的な存在ではなく、住民の中にある自治組織の一つとして捉える必要があるだろう。

地域の中にある町内会や自治会が住民自治の全てを担うのではなく、住民の自主的なさまざまな運動が自治の一つの形態だという捉え方が大事だと思う。行政にとって耳の痛い、要求ばかりを突きつけてくる団体も含め、自治の担い手だというきもっ玉の太い自治の捉え方が大事だろう。

新たなスタート地点なので、中阪町政と真摯に向き合うことを表明しておきたい。町政運営は、判断の連続で難しいことも多いだろう。忙しい中で深く広く的確に物事を考えることが求められる。苦労が絶えない仕事だと思う。
一般論を少し書いておく。
権限が一手に集中するだけに、ワンマンになる恐怖がある。自分のことは一番分かりにくい。意見を率直に言う人間が周りにいることが大事。そのためには、自分以外の提案を本気で実行に移すことが重要な意味をもつ。そんなことも考える。プライドは自分を支えるが、プライドは自分を破壊する力をもつ。
首長がワンマンになるのは宿命でもある。そういう仕組みが人間をつくる側面を忘れてはならない。存在が意識を規定する。この一般論は全ての首長に突きつけられた命題になる。
当選にエールを送りつつ是々非々で向き合うことを誓いたい。

議会だよりは開始を1時間遅らせたこともあって、作業が5時を回ってしまった。夜7時からは長期総合計画策定審議会の会議を傍聴した。議会における特別委員会が作られたので議員の傍聴が多かった。議会も同じ資料に基づいて審議を始めることになる。その点で傍聴したことの意味は大きかった。議会における議論が楽しみでもある。


にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログ 和歌山県情報へにほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へにほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへブログランキング・にほんブログ村へ

雑感

Posted by 東芝 弘明