一般会計予算に対する反対討論

雑感

議会の最終日。委員長報告と反対討論が3本。今日は一般会計の反対討論を載せておきたい。
懸念を表明した以降にぼくが込めたかった思いがある。

議案第31号 令和6年度かつらぎ町一般会計予算に対する反対討論

議案第31号 令和6年度かつらぎ町一般会計予算に対する反対討論を行います。
今年度の予算には、庁舎建設用地の購入及び庁舎整備支援委託が組まれました。この予算には明確に賛成いたします。
さらに予算の中には、障害者用の駐車場用地の整備や地域優良賃貸住宅の整備事業、成年後見人制度の活用を促進するための支援体制整備事業、障害者へのガソリン券とタクシーチケットの配布事業の改善、犯罪被害者見舞金制度の実施、簡易水道設置を展望した下志賀飲料水供給施設の整備事業、妊婦健診の充実と妊婦への通院支援、ゴミ袋への多言語表示、町民への応援クーポン券の配布、西部公園の整備、都市計画マスタープランの策定、感震ブレーカー設置への補助金、学校給食への金芽米使用、学校の女子トイレへの生理用品の配備、学校における空調機器の更新事業、公民館における地域事業委託料の新設、三谷公民館の整備事業、三好公民館のトイレ改修事業、文化財拠点施設の整備などが組まれました。今年度の予算は、住民の願いに応える積極的な事業展開が数多く実施されたところに特徴があります。これらの事業については、賛成するものです。

しかし、町政の運営上現れている姿勢には、懸念を表明せざるを得ません。それは賛成する事業にも現れています。
私は、激しく変化する時代の中でも、歴史から学び受け継ぐべき価値あるものを鮮明にする必要があると考えます。日本国憲法は、国民主権と国家主権、基本的人権、恒久平和という憲法三原則とともに、地方自治と議会制民主主義という優れた面をもっています。しかもこれらの5つの特徴は、大日本帝国憲法の条文の一つ一つをつぶさに検討した結果、生み出されたものであり、時代の変化の中でも、戦後の原点として、受け継ぎ発展させなければならないものだと考えます。
「不易と流行」という言葉があります。激しい時代の変化は「流行」という言葉で表されます。変えてはならないもの、受け継ぐべきものは「不易」という言葉で表されます。
「不易」を守ることがいかに大切か。地方自治体は、自治体の意思を決定するときに、住民自治に依拠して、意志決定のプロセスから情報を開示し、住民とともに事業を決定していく努力が必要です。この努力を通じて、自治体は国民主権を実現しなければなりません。しかし、この原則が本当に守られているのかどうか。私の懸念の一つはここにあります。

庁舎建設の意志の決定の在り方、アクアイグニスの誘致を踏まえた事業の進め方、小学校のプールの管理と新たな事業展開、地域優良賃貸住宅の事業展開など、議会も含め、十分な情報開示と説明責任を果たすという点で、かなり不十分さが表れています。いかにして住民主権を貫くかという視点を欠くことが積み重なると、それは驚くべき失敗につながります。そういう点では、改善を強く求めます。
自治体を通じて、国民主権を貫くという原則は、国の制度が横たわっていても、自治体における改善の余地があることも多く、戦後79年の地方自治体の歴史の一つは、地方自治体からの改善提案にあったと言えます。
進行している自治体のデジタル化の分野は、基本的人権の保障をしないまま、個人情報の利活用を推進するものになっていますが、この分野は研究のしがいのある分野であり、国民主権を守る点で地方自治体の独自性が大いに問われています。以上をもって私の反対討論といたします。


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雑感

Posted by 東芝 弘明