本から得られるヒント

雑感

本を読むことによって、生き方のヒントがにじみ出てくることがある。オープンダイアローグの本を読んでいると、意見がまとまらないことの「良さ」を感じ始めた。多様性の共有とでもいうのだろうか。互いの違いを確認しながら、一致しない状況を抱え込んで考えることの意味の深さ。
ぼくは長期総合計画調査検討特別委員会の委員長報告に、次のような文章を書いた。これは、議員間協議で実際に出されたものだった。

公約数的な合意で全員一致。これが実現した。一致する点と一致しない点を確認しながら、前に進む。
こういう発想をオープンダイアローグの本は与えてくれた。AでもなければBでもない状態をそのままにする。これが物事を深く考えさせてくれる契機になる。
若い頃は、正しいことを証明すれば、みんなそれに従うというように考えていた。これは、かなり了見が狭い。ぼくの中で論争によって勝つことの意味が薄らいだのはいつのことだったろうか。
そこからさらに進んで、相手の考えを積極的に受け入れるようになったのは、会議の研究を始めてからだろう。
不一致点を長く保持することができるようになる。これはかなり高度な変化だと思われる。

今はそのことを頭の中で分かっている状態。不一致点の共有。これができるようになるためには、乗りこえなければならない山がありそうだ。同時に面白いのは、不一致点の共有が一致点を生み出すことだ。これは、弁証法的な転換でもある。対立物は相互に転化する。不一致点の確認が一致点を生み出す。面白い。


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雑感

Posted by 東芝 弘明