人がかもしだす雰囲気
はじめて行った喫茶店は、感じのいいお店だった。ぼくの同級生の元夫人が経営しているお店で、事務所の近くにあるところだが、5年ちかくカラオケ喫茶と書いていたので行ったことがなかった。カラオケ喫茶は3時からで、それまではふつうの喫茶店として営業しているということだ。住宅地の奥にポツンと一軒あるお店だが、多くの人がこのお店に集まってくるらしい。不思議なほど人がたくさん集まってくるお店がある。経営者の人が人を引き寄せてくるという感じだ。
深くお客さんと関係を結ぶ訳でもなく、一定の距離感のあるお店が良かったり、経営者との会話が楽しかったり、集まってくる理由はさまざま。しかし、居心地がいいというのが、集まってくる理由になっていることが多い。
「なんや知らんけど人が集まってくるんや」
こう言ったあるお店の旦那さんもいた。空気感とでもいうのだろうか。
話のしやすい人と話のしにくい人というのもある。相手を受け入れようとしている人と相手をはねのけようとしている人。色々な雰囲気が人には備わっている。上から目線の人間が嫌いという人が、その人も上から目線だったり、相談事ばかりして話の長い人だったり。そうそう、話し出したら長いというのは、ぼくのことかも知れない。実は嫌われていたりして。
娘は、ぼくに話を聞いて欲しいことが多いようだが、ぼくが話し出すと話を切り上げようとする。なんでぼくの話を聞かないのか。押しつけがましい雰囲気があるのか。
