「虎に翼」と憲法第13条

雑感

「虎に翼」の金曜日(第45回)の佐田寅子の家族会議での言葉が、ずっと印象に残っている。寅子が、お母さんと花江さんに、それぞれあなたにとっての幸せは何かを聞くと、家族みんなの幸福が私の幸せという答えが返ってきた。それを受け止めた寅子は、自分がもう一度法律の世界で仕事をすることを決意し、弟の直明に「あなたは、あなたの幸せのために大学に行きなさい」と言う。家族のために、男だからという理由で大黒柱になる必要なんてない。男も女も、自分の幸せのためにやりたいことを貫くべきだと諭す。

個人の尊厳の尊重という憲法第13条と法の下の平等という憲法第14条の規定に感動した寅子の、憲法に対するまっすぐな理解が清々しい。この考え方をすぐに生き方に結びつけ、自分の生き方を示しつつ、弟に「やりたいことをしなさい」というのはすごいなと感じた。

この感じが、土曜日、日曜日、月曜日と時間が過ぎても消えていかない。ぼくが、日本国憲法の神髄は憲法第13条にあるということを知ったのは、安保法制に反対する運動の中で、志位委員長が語った言葉からだった。憲法第13条の「すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」という規定は、個人の幸福追求権と呼ばれる。寅子の法を読み解く眼力の確かさが示された場面が忘れられなくなりつつあるのは、寅子の考え方が、日本国憲法の神髄に触れたからだろうか。5月31日の連続テレビ小説の放映は、ぼくにとって深い意味をもつ「神回」だった。


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雑感

Posted by 東芝 弘明