都市計画審議会に出席して

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朝から議員の会議、昼からは都市計画審議会、終わってから議員の会議、集金の準備。これが一日の活動だった。
都市計画審議会では、大谷地域に下りてくる京奈和自動車道のアクセス道の都市計画変更についての協議と傍聴規定の協議が議題だった。
京奈和自動車道のアクセス道は、大谷5号線という既定の町道を使わずに、その少し西側に道路をつくるというものだった。
このアクセス道は、いわく因縁つきの道だ。町道大谷5号線を改良してアクセス道にする方が、理にかなっており、費用の総トータルで考えても一番安くなると思われる。
しかし、この都市計画道路を路線決定するときに、当時の町長は、河南に向かって橋を架けたかったので、この大谷5号線を使用しないで、西側にアクセス道路をつけたいという態度をとった。
“紀ノ川に橋を架けるためには、河南地域に橋を架けるだけの理由が必要"
当時知事だった西口さんは、こう語った。その結果、かつらぎ町は、河南にフルーツ公園という名の農業公園構想をぶちあげた。全国各地でつくられた農業公園という名のテーマパークのほとんどは、経営破綻している状況があったにもかかわらずに。
この構想は、予想どおり形にできず、構想のための計画案をコンサルタントに委託しただけで終わった。
「フルーツ公園構想に予算を500万円以上もつぎ込んだこと自体が誤りだったと認めるか」
テーマパーク構想に最初から反対してきたぼくは、破綻がほぼ明らかになった時点で町長にそう迫った。
しかし、当時の町長は、破綻を認めなかった。以来、この構想について、何の総括もなければ反省もない。かつらぎ町は、過去の過ちについて、率直に誤りを認めたことはない。この点では、誰も明確に責任を取らないところに1つの特徴があるといえる。
アクセス道路は、この時の構想の残骸のようなものだが、何年も前に都市計画決定がなされ、地元とも協議を重ね、非常に無理をして町道大谷5号線とアクセス道路との接続もできるように苦労しながら、計画変更を求めてきている。
今回の変更そのものは、ど派手以降とした部分の一部を高架にするというものだった。
道路構造令が年々変更されてくる中で、「国道に交差点をつくる場合は、2.5%以下の勾配でなければならない」というように現在はなっている。町道大谷5号線の場合、交差点と国道とは、東側が川を越えていく関係で4%勾配になっている。これでは条件がクリアできないというのだ。
いつの時点でこういう変更がなされたかは問わなかったので、分からないままだ。国道を2.5%勾配に改良すると国道の両側の建物が道の下になってしまうという新な問題が生じる。
そういう説明を受ける中で、都市計画の変更については、賛成という態度をとった。
しかし、住民の目から見れば、現在のような道路の付け方は、ムダの典型のようなものに見えると思われる。
時の町長の独断が、道路建設を歪めてしまったという事例がここにある。
都市計画審議会の傍聴要領が提案されたが、その中に、

審議会を傍聴をしようとする者は、審議会開催日7日前までに自己の住所、氏名、年齢を別紙に定める様式「傍聴希望申請書」に記入し、建設課まで提出しなければならない。

というとんでもない規定があった。
これは、事実上の傍聴制限になりかねない。ぼくはこの条文の削除を提案した。
また、議論の中で、「都市計画決定という行為は、法的に非常に重いのに、審議会の委員は、都市計画とは何かというレクチャーを受けていない。これでは、都市計画決定の意味さえ十分理解されないままになってしまう。この審議会の位置づけはどのようなものなのかも含めて、町は委員に対して説明すべきだ」と提案した。この提案については、当局から説明をするという答弁がなされて実現することとなった。
議論が尽くされて、審議会で文言が修正され決定されるのが望ましいと思うが、委員の中からは、事務局に持ち帰ってさらに検討を加え再提出すればいいという提案がなされた。
全体の意思として、これが採用されたが、ぼくは、この件について次のような問題提起をおこなった。
「多くの審議会は、町当局の原案が無修正のまま承認されている。知恵のある方々が集まり、当局提案を審議するのだから、原案が修正されてより良いものになるという場合があっていい。条例を見ても委員の権限については何も書かれていない。委員個人で修正案が出せるようにすべきだと思う。委員がどのような権限をもち、どのようにすれば、原案を修正できるのかということを明らかにしないと、原案がほとんど無修正のまま承認されることは改まらない。こういう点も研究していただきたい」
原案が無修正のまま承認されるだけなら、審議会などは必要ないだろう。原案をたたき台にして、よりよいものが生まれてこそ、審議会に参加する意義がある。ぼくはそう思っている。原案を無修正のまま通すことが原則だととらえると、委員から意見が噴出すれば、当局が提案を引っ込めて持ち帰って協議し、再提出するという方法しかなくなってくる。
こういう会議運営を繰り返していると、審議会は「ご意見番」か「ご承認機関」に成り下がってしまう。
こういう改善をしないと、住民参加は実現しない。


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Posted by 東芝 弘明