消費税増税反対の請願、委員会で採択。

かつらぎ町議会

総務産業常任委員会が開催された。橋本伊都民主商工会が団体請願した「消費税の増税に反対する請願」は、委員会の審議を経て全員一致で採択され、意見書を提出する意志を持って本会議に報告するとともに、意見書案を本会議に提出することとなった。

日本の借金は、国と地方を合わせると1000兆円を超えている。しかし、国と地方の現金を含む資産は、ほぼ1000兆円ちかくある。同時に日本政府が発行した国債を買っているのは、圧倒的に銀行や損保などの国内の企業であり、しかも日本の企業の保有資産は世界一だ。
ギリシャのようになるというような話が、菅直人首相(当時)からおこなわれた。だが、国家が破産するような事態には全くない。
国家財政にとって税収が減少しているのは、最大の問題の一つだが、消費税を増税すれば税収が確保できるかといえば、そうはならないのは明らかだ。

消費税を3%で導入したときも、5%に引き上げたときも、法人税と所得税が大幅に減少した。国民の所得を切り下げている現状の下で、消費税を10%に引き上げると国民の消費生活が破壊されるとともに、中小零細企業が壊滅的な打撃を受ける。現状でも消費税の滞納が大きい。国民は買い物のたびに消費税を支払っているが、消費税を納入する業者は、圧倒的に中小零細企業になっている。
納税業者は、収益がなくても売り上げがあれば消費税を納税しなければならない。消費税を価格に転嫁できているか、できていないかは納税段階では問題にならない。7割の業者が消費税を転嫁できていないという統計がある中で、消費税を10%に引き上げると税収に大穴が悪とともに、景気が深刻な事態になってしまう。経済が破壊されるのは、歴史の教訓だといっていい。

議論の中では、「非課税や軽減税率を広げればいい。消費税を引き上げるのはやむを得ない」という意見もあったが、国会における議論でいえば、消費税を10%に引き上げて、13兆円の税収を確保するということなので、そういう議論は残念ながらない。こういうことも確認をして議論をおこなった。

民主商工会から参考資料として添付された資料も大いに役に立った。とくにヨーロッパ諸国の消費税には、非課税や制限税率が多いという資料は、日本の消費税がほとんどのものにかかる重い負担であることにも認識が深まった。
地方自治体にとって消費税増税は、税収を増やす力にはならない。現在は、5%の消費税の内の20%(つまり消費税の1%分)は、地方消費税ということで、税収として入ってくる。10%になるとこの地方消費税は、倍以上に引き上げられる。しかし、この税収は基準財政需要額に算入するということになるので、地方消費税の税収増が、地方交付税の削減に直結することとなる。
同時に国は、交付税の縮小を計画している。これに加えて消費税増税によって法人税と所得税が激減すると地方交付税には深刻な影響が出てくる。

「日本の税制は、いま歴史的な曲がり角に立っている」──ぼくはこういう発言もおこなって、「消費税に依存していくのか、それとも直接税税中心、総合課税、生計費非課税、累進課税という税の民主主義を取り戻していくのかが鋭く問われている。税制の民主主義を確立していけば、消費税を増税しなくても財源は確保できる」ということも主張した。

全員一致で意見書案を提出できることは、嬉しい出来事だった。


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かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明