生活保護からの連想

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生活相談にのっている年配の方の引っ越し準備のために9時に自宅におじゃました。
部屋の中を拝見させていただく。
暖房器具がなく、暖をとることができない。雨漏りがひどかったので、東の長屋から西の長屋に部屋を移ったが、電気のメーターがないので、住んでいた東側の家のコンセントから接続コードで電気を引き込んでいた。
水道は使えない状態だった。そもそも、西側の住宅は、住まいのできる状態ではなかったので、貸していなかったらしい。しかし、東側の雨漏りがひどいので西側に移らせてもらったのだという。
経済的に困っている状態というのは、このような状態になってくるということだ。
テレビもラジオもない状態。もちろん新聞はとっていない。
畳の部屋に新聞広告があったので、最近のチラシかなと思って日付を見ると2004年となっていた。
通帳には、限度額満杯の状態でマイナスが並んでいた。
貧困。
「ストーブなんてないよ。金かかるからね」
プロパンガスは、ボンベのまま買い取ったそうだが、これも使われていないような状態だった。
この地域の生活保護費は、生活扶助で6万1000円程度。住宅扶助は、限度額が3万数千円だが、この人の場合15000円(家賃がこれだけということ)。
「健康で文化的な最低限度の生活」
日本国憲法25条が示した金額はこれだけだ。
率直にいって安い。
日本という国は、貧困か率を補足しにくい社会になっている。生活保護制度は、申請制度となっているので、申請して保護決定がなされないかぎり支給されない。
生活保護を受けていない人々で、保護基準以下の人が多い。
どれだけの貧困層が日本に存在しているのか。
確たる実態は見えない。
日本は豊かになった。
一時期、そんな風にいわれた時代があった。しかし、現在は、ワーキングプアという状況をどんどん生み出しながら、貧困が大きく広がりつつある。
このような事態を生み出し、拍車をかけたのは、小泉さん以後の構造改革だった。
貧困も格差も生まれるべくして生まれてきた。貧困と格差は、構造改革の副産物ではなく、構造改革政治の当然の帰結だった。
構造改革の果実が格差と貧困ならば、貧困の具体的な事実から、日本の政治を見つめる必要がある。
見つめれば見えてくるものがある。
国際競争力をつけるために日本の主要な港湾から高速のインターチェインジへのアクセス道を改善する計画がある。この計画は、道路計画の一つの目玉になっている。12分の道を10分に短縮するという例もある。
財政難のもとで、こんなばかげた計画をどんどん打ち出す一方で、国民の生活に直結する社会保障は、負担増を重ねていく。
この国は歪んでいる。
歪みは極みに達しつつある。
道路特定財源問題は、そんなに難しくない。
土建国家の歴史的な変遷。
インフラの到達点。
現在の道路計画の内容。
暫定税率廃止の経済波及効果。
この4点を検討していけば、道路特定財源と暫定税率の問題の答えが見えてくる。
日本は今、そういうトータルな視野に立った議論が必要になっている。
時代の転換点に立っているのに、それを自覚しない自民党政治は、その根っこが腐っている。
でもねー。マスコミの質も落ちていると感じる。
真実を追及する。権力を監視する。そういうパワーが感じられない。
暫定税率のことが注目されているので、道路特定財源問題の歴史的な総括をおこなうマスコミが出てきてもよさそうだ。
自民党の政治家のご都合主義的な言い分をたれ流すのが、マスコミの使命ではないだろう。
間違った記事を平気で載せる。
誤りを指摘しても訂正しない。
これをYとAという大手新聞で具体的に体験したことがある。こういう体験をしたので、マスコミにも注文をしておきたい。
事実に対する謙虚な姿勢。新聞記事には真実を書くという原則。
こういう姿勢と原則を貫いていただきたい。そうすれば記事は面白くなる。
これとの関連で、気になっていることがある。
家庭における犯罪が多い。しかし、これらの事件を丹念に追いかける記事は皆無に等しい。
悲しい犯罪、ひどい犯罪の背景には、おそらく経済問題が横たわっている。
貧困と格差が拡大する時代の中で、家族が壊れ、家庭が壊れ、人間関係が壊れて犯罪が増えているのではないか。ぼくはそう思っている。
そういう視点で、事件を追いかける新聞記者がいてもいいのにと思う。
事件の簡単な紹介に対し、「日本社会はどうなっているのか」と嘆くよりも、事件という事実が何を物語っているのか、この事実に目を向けることが大切なのだと感じる。
100のコメントよりも1の真実。
それを知りたい。


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Posted by 東芝 弘明