今日の出来事

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人はたえず命を生きている。呼吸している。ただ、日常の中で、健康的な人の命は卵のようにつるんとしている。それは、影さえ見せない。影は、形に寄り添っていたり、べったりまとわりついていたりするのに、人は影を見ていない。
命は、危機の中であらためて自覚される。それは恐ろしい現実とともに。
48年生きた。過去が未来よりも長くなった。過去が伸びていくのにしたがって、未来は確実に縮んでいく。
70代半ばの人を見て、あと25年もすれば、その姿が自分の姿に重なるのだという思いが、ときどき心の中に広がっていく。夕日は同じ色をしていない。日々の変化は豊かで同じ形をしている日は1日もない、なのに、1日、1日が違って見えない、変化をつかみきれない鈍感さが、そこにある。
対象をじっと見つめて、変化を心に刻みつける。そういう時間が、1日の中で1分でいい、時間を止めてもてれば、変化を心に刻印できるかも知れない。
午前中、11時を少し過ぎて、同級生のお見舞いに歩いて行った。距離にして30メートル程度、彼は玄関から道まで出、手を挙げた。
ずいぶん痩せている。
その痩せ方が、病気の重力を輪郭深く語っていた。部屋の中で話をしていると、次第に回復に向かっている感じが伝わってきて、少し安心できた。ぼくともう1人、友人との帰り道、気持ちが上を向いていた。黒ずんだ雲が少しだけ淡くなっていた。
「晴れそうやな」
片手をあげての別れ際、2人でほんの少し空を見た。
昼から、yさんといっしょに「赤旗」しんぶんの購読のお願いに、笠田の町中を走り回った。今日は、2軒の方に購読していただいた。
単刀直入に「購読下さい」「はい、わかりました」──会話の中身はこうだった。
まわりの人々と気持ちを通わせる。そうありたいと思っている。会話を楽しむ。相手の思いを胸の中に染みこませて心に写す、そうすれば気持ちと気持ちの物々交換が出来上がる。
深い会話は、楽しい。うれしい。そういう付き合い方の先に購読のお願いがある。
午前中、雨が降るかも知れないという気持ちが、黒い雲といっしょに広がっていた。
昼から、明るくなった。雲が白くなり始め、空が高くなった。雨に備え洗濯物をひさしの長い軒下に干していた。幸いなことに、ひさしはその役目を果たさなかった。
2時過ぎに干し終わった洗濯物は、それでも夕方、乾いたらしくおばあちゃんが取り入れ、きちんとたたんでくれていた。
「お父さんにしては上出来」──昼を過ぎてから干した洗濯物。「洗濯してくれただけで合格」、こんなセリフを妻は口にして、ぼくをほめてくれた。半乾きだ、そういってしかられると思っていたのに、拍子が抜けるとはこのことだった。


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Posted by 東芝 弘明