地域問題から世界を読み解こう

雑感

3月議会のプレッシャーは、年々大きくなってきて、ストレスは半端じゃなくなってきている。
政治や社会は動いているので、今まであった制度も、大きく変化している。とくに新自由主義的な改革が行われてきたこの13年間は、ものすごく大きな変化の中にあったし、今もこの変化は続いている。
介護保険についての学び直しも必要になっているし、国保の制度変化も大きい。
保育所と幼稚園なども激しい変化に晒されている。

学ばなければ対応できないことが増えている。
議員になりたての頃は、ここまで変化は激しくなかった。時間をかけて学べば、制度の理解は深まった。
新自由主義は、もう一度世界的な規模で資本間の競争を行うことを土台にして、資本主義をものすごいスピードで変容させるものだった。日本の6大独占グループによる支配というものが解体され、中心にあった金融資本は合併などによって大きくその姿を変えた。銀行中心に成り立っていた金融寡頭制は、大きくその姿を変えた。金融資本による世界の支配は、より一層強大なものになったが、その一方で株式会社は、㈱によって資本を集める姿へと変容をとげた。

グローバルな競争の中に置かれている金融資本と物を生産している資本との新しい関係について、ぼくはまだ不勉強だ。
国内で起こっている資本の巨大な変化をつかみ切れていないといっていい。

日本国憲法が描いた戦後の世界は、憲法9条と憲法25条に象徴される恒久平和と福祉国家への道だった。この道は、全く破綻してはいない。むしろ、日本はこの道に進まないまま、資本主義の変容に晒されているといっていいだろう。
新自由主義は、労働者の働き方を破壊しつつ、巨大なコストにしか見えない社会保障を解体しながら資本の再編をとげてきた。その結果、格差と貧困がすさまじい勢いで増大してきた。それは、日本国憲法への挑戦というような内容を持ちつつある。自民党の日本国憲法改正草案は、この新自由主義路線の帰結という側面をもっている。

この新自由主義的改革に未来はあるのか。
そう問えば、未来は暗いとしかいえない。

今行われているアベノミクスという改革は、日銀によって市場にある国債や他の金融商品を買い上げるところに第1の特徴がある。この買い上げは、銀行に潤沢な資金(現金)を提供する。量的規制緩和というこの政策は、徹底的な低金利政策をとりながら銀行への資金提供をおこなう。銀行に貸し付けるアテのない現金を増やすことは、マネーゲームによって利益を上げている人々に資金提供を行うことにしかならない。日銀による国債や金融商品の買い上げは、流通以上の現金を印刷して銀行に渡すというものであり、これは絶対にしてはならないと言われていた禁じ手だったものだ。
ミニバブルは、投機によって発生すると思われる。そこに集中するのは有り余った余剰資金を自由に動かせる人々だ。バブル時代と様相が違うのは、格差と貧困が広がり、働くものの賃金が徹底的に抑制されていることだろう。新自由主義によってもたらされた日本経済の構造的変化が、80年代のようなバブルを引き起こせない要因になる。

第2の特徴は、政府による国債の発行だ。政府は、大量に国債を発行することによって、大規模な公共投資をおこないはじめている。日銀は、日本政府が大量に発行する国債を購入し、政府に現金を手渡す。第1も第2も共通しているのは、印刷物である紙幣を大量に作成するところにある。この方向を強めれば強めるほど、日本の紙幣価値は下がらざるを得ない。
インフレが起こるとすれば、それは紙幣価値の下落によってだろう。
政治的な信用力がある間は、この政策は均衡を保つのだろうが、借金が増大するにつれて危機は確実に進行する。
国民の資産、政府や地方自治体の資産、企業の資産などに対し借金が増大して均衡が崩れてくれば、日本の円の国際的な信用は崩れざるを得ない。それがどのような形で起こるのか、なかなか予想できないが、消費税増税とTPPへの参加による日本経済の破壊が、その引き金を引く可能性は強いのではないだろうか。

輸出企業は、円安になれば儲けを上げることができるだろう。しかし、日本企業の輸出による儲けは、円安と円高の乱高下を引き起こす可能性がある。輸出企業が儲けを上げる仕組みには、コストの徹底的な削減が織り込まれている。徹底的な労働者の賃下げが、一貫して追求されるジレンマは極めて大きい。
資本蓄積のあくなき追求が、結局は次の大きな破綻を準備する。アベノミクスといって浮かれているマスコミや経済学者は、破綻に向かって直線的に突き進みつつあるこの事態を国民に知らせる責任がある。しかし、これらの勢力は、警鐘を鳴らすカナリアどころか、政府と一緒に時限爆弾のスイッチを押そうとしている。

私たちは、中山間地に住んでいる。日本の田舎は、矛盾の激化に苦しんでいる。少子化と高齢化、過疎化、農林水産業の破壊と中小零細業の破綻。この問題に対して、立ち向かわなければ地域の未来はない。地方の目からアベノミクスを見れば、本質は見えてくる。地方は、中央政府に対して反乱を起こすべきだと思う。

いったい、問題の本質はどこにあるのか。真実はどこにあるのか。
なぜ、地方はこれほどまでに衰退してきているのか。

この問題を明らかにすれば、日本が抱えている問題の全てが見えてくる。アベノミクスという経済政策が、地方を再生する力をもたないことを語る必要がある。巨大な資本擁護のこの政策は、結局は1%対99%のたたかいを呼び起こす。地方はみんなこの99%の中にある。
私たちを苦しめている地域がかかえている問題に一緒に取り組むこと。ここに大同団結につながるチャンネルがある。
地域問題から世界を読み解く力。これが今ものすごく大事になっている。


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雑感

Posted by 東芝 弘明