土地開発公社が解散した

かつらぎ町議会

議会本会議が開催された。通年議会に移行したので臨時議会とは呼ばない。
今日は、基本構想とそれに基づく長期総合計画が議案として提案された。
議会は、この議案を審議するために、全議員が構成員となる「長期総合計画審査特別委員会」を設置して、4回程度の審議をおこなうことを決定した。

また、本日の本会議では、土地開発公社の解散を議決した。起債を活用して、土地開発公社の債務を代理弁済し、町が時間をかけてこの起債を返済していく方法が採用された。
第三セクター等改革推進債という名称の起債の額は、11億9200万円に上る。償還期間は10年以内、政府貸付金銀行などによって融資を受ける。

土地開発公社は、溝端町長時代に7つの里構想という長期総合計画にもとづいて、企業誘致、住宅開発、公共事業の先行取得、公共事業に伴う代替え用地の取得など用地の取得を行った。この内、先行取得事業という事業では、公共事業の用地の先行取得を中心におこない、土地造成事業では、企業誘致と住宅開発が行われた。
バブル経済の最中に行われた事業によって、土地が大量の購入された。
企業誘致は、当初の計画が破綻することによって、長期にわたる塩漬け状態となり、結局、地価下落の中で企業誘致を具体化する際に、債務超過が生まれるようになった。西飯降にある企業用地の中でA団地だけの売却で9億円もの債務超過となったのが、最大の大穴だった。

住宅開発事業の中には、開発がうまくいった例が少しだけあったが、それ以外は、計画段階で破綻したものが2件、小さな住宅開発でも事業は難航し、結局は町営住宅を建てる方向に事業を転換したものもあった。
先行取得事業でも、乱脈な用地買収が行われた。代替え用地として取得した用地なども塩漬けとなったり、事業目的がないまま、所持していたものを町が帳簿価格のまま(原価に利息が積み重なったもの)、町が年次的に予算を組んで買い戻したものも数軒あった。
土地の中には、いまだに事業化できないものも残されている。

バブル経済の中で、大胆な開発構想を描いただけでなく、実際に乱脈としか言いようのないような土地の購入の仕方をして、事業を破綻させた責任は大きい。今回の起債11億9200万円は、土地開発公社の乱脈経営の責任を町民の税金で穴埋めすることを意味している。
井本町長は、答弁の中で「住民に債務のご負担をいただくことについては、お詫び申し上げたい」と言った。

これで、土地開発公社の事業は、一応終了したことになる。乱脈経営だった当時から、日本共産党は、一歩も引かないでこの事業を止めさせるために実態を暴露して解決を求めてきた。
財政上、土地開発公社の出勤が、会計指標から除外されていた時、本町は問題の解決に本腰を入れなかった。その結果、雪達磨式に債務が膨らんだ。結局はこの膨らんだ利息のかたまりのような債務を町民に押しつけて、決着することになった。

行政側は、土地開発公社の経営破綻について、誰も責任を取っていない。どこに問題があったのかも、積極的には明らかにしていない。問題の先送りと責任のなさについては、今もなお怒りがある。
誰も責任を取らなかった中で、当時一番の責任者だった方は、すでにお亡くなりになった。
企業用地の買収について、「もっともっと買う予定やったのに途中で止まってしまった」と言った元議員の方も亡くなってしまった。


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かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明