子育て支援と高齢者対策

雑感

「タクシーがものすごく流行っている。私も買い物に行くのにタクシーを使っているんよ。往復で2000円かかる」
西渋田に住んでいる70歳を超えた女性の方がそう言った。
「わしが車運転できんようになったら、買い物が大変になる」
笠田の西部で、背の高い年配の男性がそう言った。
ぼくの近所に住む女性の方も、買い物に行くのにタクシーを利用し始めている。少し前までは自転車で行くことができたのに。
オンデマンドの乗り合いタクシーがどうしても必要になりはじめている。

こういう現実が進行しているなかで、「中学校を卒業するまで医療費を無料に」という政策に疑問符が投げかけられ始めた。
「お年寄りのことをもっと考えて欲しい」「年配者のことはどうなるんだ」
こういう意見だ。数年前までは、若者のお年寄りも「子どものために医療費の無料化をぜひ実現してほしい」という意見が圧倒的に多かった。
じわりじわりと貧困の陰が近づいてくるなかで、世代間の要求が、対立させられているように感じる。

かつらぎ町の今後を考えると、人口を増やすために(減らさないために、というのが正確かも知れない)は、子育て支援と高齢者対策は、どうしても必要になってくる。また若者向けの施策も必要だろう。「住み続けられる町」というのは、子どもやお年寄りに優しい町でなければ実現しない。
かつらぎ町は、決して子育て支援と高齢者対策を対立的にはとらえていない。こっちを強化して、こちらを弱めてということではなくて、子育て支援も高齢雨者対策もという立場に立っているといっていい。

危機が進行している。地方自治体が成り立たなくなるという指摘も出はじめている。2040年代に20代、30代の女性が半減するという指摘だ。自治体ごとにみると格差がある。減少率が80%を超える自治体は31自治体あると指摘され、17位に高野町が入っている。

毎日新聞の5月8日付けの記事を引用しておこう。

全国1800市区町村(政令市の行政区を含む)の49.8%に当たる896自治体で、子どもを産む人の大多数を占める「20〜39歳の女性人口」が2010年からの30年間で5割以上減ることが8日、有識者団体の推計でわかった。896自治体を「消滅可能性都市」と位置付け、有効な手を打たなければ将来消える可能性があるという。また896自治体のうち、40年の人口が1万人を割る523自治体(全体の29.1%)については「消滅の可能性が高い」とし、より衰退の恐れが大きいとした。

 推計をしたのは、産業界や学界の有識者らで国のあり方を議論する「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」(座長・増田寛也元総務相)。

かつらぎ町もこの減少傾向の中にある。これは、自然現象ではない。農林水産業と中小商工業を破壊してきた結果、歴史的に引きおこされたものだ。日本は、高度経済成長以後、地域の安定的発展を視野に入れて、農林水産業と中小商工業の育成支援を行うべきだった。
今からでも遅くはない。田舎の再生を実現すれば、日本経済も立ち直るし、都市への一極集中もかなり緩和される。21世紀の経済発展のモデルは、日本共産党が提言している中にある。


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雑感

Posted by 東芝 弘明