もっともっと話を聞きたい

雑感

記念植樹看板
記念植樹看板
植えられた樟
植えられた樟

対話する時に妻と2人で笠田小学校に立ち寄った。娘たちが小学校4年生の時に、当時の校長先生に「樟の子ども(十五社〈じごせ〉の樟の実から育てられた苗木)を植えてください」とお願いしていた樟を確認しようとなった。
娘たちは、樟の絵を大きな画用紙に描いて、校長先生のところにもって行き、「学校が改築されても、この木を植えてください」とお願いしていた。校長先生は、やがて退職されたが、次の校長先生のもとでも、その絵は大事に飾られていた。
学校改築が完了し、新しい校庭や新しい学校の畑などが整備されたときに、記念植樹の話が浮上し、笠田小学校は、くだんの樟を記念植樹に選んだ。子どもたちがお願いしてから4年近くが経っていた。
大きな十五社の樟の前に笠田小学校の畑があり、その一角に記念植樹がある。わが娘は現在高校1年生の15歳。9歳の時にお願いした樟の苗は、かなり大きな木に生長して、元気に伸びていた。

さて、
告示まであと1日を残すだけとなった。ものすごく対話してきたと思う。その反面、まだお会いしていない人がたくさん残されている。今回は、自分のリーフレットには、「多くの人にお話を聞きながらがんばります」と書いた。これを実際に実践してきたと思う。自分の中に多くの人の思いがしみ込んでいる。ぼくに話をしてくれた人は、色々な願いを語ってくれた。

ぼくが、今回、対話の中で語り続けていることをまとめて書くと、次のようなものになる。
「2040年にかつらぎ町は、消滅する自治体の一つに数え上げられています。毎年人口が200人ずつ減少しています。生まれる子どもが100人、亡くなる人が250人、転入と転出では転出の方が多く、200人ずつ減っているということです。人口統計を取り研究している機関が、20歳から40歳までの女性の人口が半減する自治体は、もう地方自治体としては成り立たないと指摘しています。かつらぎ町は60%台になると言われています。消滅の危機にある自治体は、和歌山県内30市町村の内、21市町村あります。この中にかつらぎ町も入っています。
産業の衰退と人口の減少、この問題に真正面から立ち向かわないとかつらぎ町の未来はありません。この問題に対し、政策と言っても、現時点では確固とした展望があるわけではありません。しかし、農業を基幹産業とするかつらぎ町で、この分野の活性化を図ること、人口減少に少しでも歯止めをかけるために、田舎暮らしを推進すること、こういう努力をする必要があると思っています。
農業振興のためには、かつらぎ町が農家の実態を職員の力で把握する必要があります。農協に出荷していない農家も増えているので、かつらぎ町の生産高さえ、リアルには分からなくなっています。かつらぎ町は、行政の力で農業全体の姿を把握する努力が必要です。若者に150万円、5年間資金を支給する制度があり、この制度を利用して新規就農者が20軒以上誕生しています。これらの人々をサポートし、農家として独り立ちさせる努力をおこなうことは、かつらぎ町に農業支援の体制を作ることに深くつながります。こういう努力を行えば、次の施策展開につながると考えます。
田舎暮らしを推進するためには、よそ者をかつらぎ町に積極的に受け入れる必要があります。かつらぎ町は、よそ者に冷たいような傾向があります。この傾向を克服しようと言っても何をしたらいいか、よく分かりません。しかし、よそ者を大切にし、おもてなししようと言うことであれば、話は具体的になります。田舎暮らしを推進し、都市から若者の移住を推進する努力は、新しい町づくりそのものです。この取り組みも、次の町づくりにつながる力をもつものだと考えます。
同時に、お年寄りに優しい町、子育て支援の町に力を入れる必要があります。高齢化率は現在34.5%、高齢者は6250人。町を歩くと空き家がものすごく増えています。足を悪くされて、歩くのが困難な人がものすごくたくさんいます。高齢化はさらに進展します。買い物とお医者さん通いに苦労されている人がものすごく増えています。自転車に乗らなくなった人、自動車免許を返した人もたくさんいます。移動の困難をカバーするために、乗り合いタクシー制度のような仕組みがどうしても必要です。
子育て支援では、中学校を卒業するまで医療費を無料にすること、学童保育料をかつらぎ町の責任で安くすること、学校図書館に司書職員を配置することなど、子育て支援に力を入れて、子育てしやすい魅力ある町をつくることは、若者定住促進にとって欠かすことができません。
24年間、議員を行ってきて、数多くの実績を生み出して来たと思っています。でも、かつらぎ町は良くなっていません。むしろ、産業の衰退と人口減少の中で、事態は深刻化しています。現在直面している困難に真正面から立ち向かいたいと思っています」

こういう内容のことを、会話しながら話をしている。断片に終わる場合もあれば、深い話になることもある。相手と深い話になるかどうかは、自分の中にどれだけたくさんの引き出しがあるかどうか、対話の中で聞かせていただいたさまざまなお話しを盛り込んで話ができるかどうかにかかっている。

「町民のみなさんの願いを実現します」
口で言うのは簡単。本気で実現するためには、町民の話を深く聞く必要がある。もっともっと話を聞きたいと思っている。


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雑感

Posted by 東芝 弘明