歴史とは何か?

雑感

歴史について、コメントで議論をしてきた。今日読んだコメントには、次のような下りがあった。

歴史学は、書いたように文学部に分類される学問です。文学は簡単に言うと本を読んで、その感想を述べることです。当然その感想は万人いろいろで正解がありません。歴史学も同じです。歴史を調べてその感想を述べることです。文学と同じ正解がありません。また史実を追及するのは事実を追究するだけで、真理(歴史の原因)を追究することではありません。というかカオスの確率を進む歴史の理由は分からないものです。
本を読むんで感想をのべることができるように、歴史を調べて感想を述べることは誰でもできます。
東芝さんの歴史観は、歴史の一つの感想に過ぎません。万人いろいろな感想があるので・・・正解は分からない。それが歴史を読むことです。
歴史は文学と同じ。何が正しいということはない。ただ単に感想を述べるだけ

この意見は、歴史については、正解がないという宣言です。こういう意見を哲学的には不可知論と呼びます。「カントが物自体の存在は認めるが、その物自体がいったい何であるかは認識できない」としたのが不可知論です。歴史について、事実を追及するだけであって、真理を追求することではありません。という宣言は、まさに不可知論だと思います。

 

こういう立場を宣言されたら、議論は成り立たなくなります。Aさんのいうことも感想だからあり、Bさんのいうことも感想だからあり、ということです。ここまでいけば、学校で歴史を教えることの意味も崩壊します。

ぼくは、歴史は、考えるための学問だと思っています。現在や現代を読み解くためには、その物事が発展してきた歴史を見ることがきわめて大切です。これは、議員活動の上でも極めて有効な思考方法です。たとえば、保育所というものを理解しようと思えば、保育所発展の歴史をひもとく必要があります。制度の変遷のプロセスを把握していくと、保育所がどう変化し発展してきたのかがよく分かります。それは、現在、実際に存在している保育所を立体的に理解する大きな力になります。
すべての物事には、発展の歴史があります。この発展の歴史を、事実にもとづいて丹念に把握していくことが、物事の本質に迫っていく極めて有効な方法になります。
すべての事物は、運動と変化、連関、連鎖の中に存在しています。人間は、この運動と変化、連関、連鎖を一度に、瞬時に把握することはできません。現実には、たえず動いているもの、複雑に関連しあっているものを把握するためには、物事を比較検討することと、歴史を調べることが重要になります。それが、運動と変化、連関、連鎖を把握する非常に大事な方法になります。
歴史は、毎日つくられています。時間軸をへて過去のものになるものすべては歴史です。
歴史学の役割を否定していたら、議員の活動は出来なくなります。


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雑感

Posted by 東芝 弘明