歴史修正主義って何?
歴史修正主義という傾向が強まっている。この文脈の中に学校で習ったことは、実は間違いだったというものがある。
日本は、第2次世界大戦のときに中国や東南アジアに対して侵略戦争を展開したというが、本当は大東亜共栄圏を建設するために、ヨーロッパの植民地からアジアを開放するために戦争を行った。ここに真実があるのにこの真実をねじ曲げてアベコベに戦争を描いて、日本をおとしめているというものだ。アジア・太平洋戦争のときの日本政府の主張が正しいのであって、日本による侵略戦争というのは、戦争に勝った連合国側の、勝てば官軍という言い方に過ぎない。
この論法からいえば、戦前の日本は正しかったということになる。戦争を知らない世代が増え、戦前の日本の姿を知らない世代は、いとも簡単にこれを信じるような傾向もある。しかし、戦前の日本には、国民主権も基本的人権も確立していなかった。主権が国民にはなく天皇にあった時代の中で背骨のようにまっすぐ貫かれていたのは、国民は天皇の赤子、国民は民草というものだった。国民に主権のない時代の戦争の作戦は、人命に対する扱いが極めて軽いものになった。
戦争によって死んだ兵士の中で、一説によれば餓死した兵士は60%占めていた。日本軍の食料は現地調達主義だった。これが数多くの惨状を生み出す元凶になった。現地で食料が調達できない状況に陥った部隊は餓死する兵士を大量に生み出したし、現地調達主義で食料を確保した部隊は、中国人などを大量に殺害した。
人命を軽視して戦争を遂行するという思想は、日本軍を貫いて存在した。特攻作戦の根底にあるものは、人間の命を兵器の一部として活用するというものだ。ここには、基本的人権の尊重という考え方は全くない。
戦前には、治安維持法という法律があった。この法律で逮捕・投獄された人々の中心には日本共産党員がいた。この中には逮捕・拷問による殺害が少なからず存在し、拷問による衰弱で獄死した人もいた。作家だった小林多喜二への拷問と多喜二は警察によって殺害された。こういう国民への弾圧と戦争の中で国民の命を虫けらのように扱ったことは、深くつながっている。
平和的な運動や思想を弾圧するという点で、日本はナチス・ドイツと変わらない国だった。ここに日本の国の本質があった。
はたして、歴史を修正しようとしている人々は、国民主権のなかった時代に対してどのような認識をおもちだろうか。自由が空気のように存在する現代と同じように言論が保障されていたとでも思っているのだろうか。
>トリノさん。山本晴太弁護士は、「日本政府を相手にした韓国強制徴用被害者の損害賠償請求訴訟を代理してきた」人なので、この問題の当事者になった人です。弁護士は関係ないというトリノさんの方が、この問題に深く関わっていないのは明らかです。もちろんぼくも深く関わっていません。徴用工問題に深く関わってきた山本弁護士のきめの細かい論説は、傾聴に値すると思います。少なくとも「訳のわからない弁護士の論文ではありません」この辺のところは、ぜひていねいに扱っていただきたいと思います。
この東芝さんの論評なぁ~・・・国と国の国交について基本的に理解していないようです。徴用工問題に深く関わってきた弁護士がどうか知らないけど、たかが一人の弁護士が、国と国の約束・・日韓基本条約をひっくり返すことができるわけないじゃない・・笑。
東芝さんは論点が大きくズレています。まず・・国交というのはどういうものかを学びなおす必要がありますよ。
何事も基本ができていないと、東芝さんんのような論理に発展する。ただ・・・・こんなこと言いたくないけど、東芝さんの場合、自分が正しいと信じている。・・・そうすると手におえないのです。
過去に田茂首相が記者に「首相の怖いものはなんですか?」と聞かれたことがあります。そのとき吉田茂は「バカが一番怖い」と答えたそうです。論点が合わないと話にならない。