中国は基本的人権を否定する国

雑感,日本共産党

赤旗日刊紙に中国の人権弁護士、王全璋(おう・ぜんしょう)弁護士のインタビューを掲載した。赤旗は、氏について、2020年7月11日、以下の記事を配信している。今回のインタビューとあわせて読むと全容を理解する助けになると思われるので引用してみよう。

 手記の中で王氏は、15年8月に山東省済南で拘束され、その後長期間にわたり、「死んだほうがまし」と思うほどの過酷な拷問を受けたことを明らかにしました。王氏は罪を認めたことはなく、「句読点すら書いたことはない」と強調しました。
 王氏は「もし人権を守る道を進み、権力が危険な敵とみなせば、一挙一動、生活の細部が記録され、罪に問われて拷問を受ける」と指摘。「国家安全の名目で、法律の原則を公然と破壊し、思うままに逮捕・起訴し、罪をなすりつけている」と当局を批判しました。
 王氏は自らを冤罪(えんざい)だとした上で、「すべての冤罪は名誉回復されるべきだ」とし、冤罪被害者を支援していくと表明。「人権派弁護士や活動家の要求は高くない。中国の憲法や法律上の最低限の自由と権利が保障されることを願っている」と訴えました。
 王氏は、地方政府による土地の強制立ち退き被害者や、中国で非合法となっている気功集団「法輪功」のメンバーらを支援してきました。15年の拘束後、家族にも行方が知らされず、19年1月に「国家政権転覆罪」で懲役4年半の実刑判決を受けました。
 王氏の妻の李文足さんは、他に拘束された弁護士の家族らと共に最高人民法院(最高裁)前で解放を訴えるなどの活動を続けてきました。李さんらは9日、この5年間に支援してくれた国内外の活動家やメディアに感謝するとした文書を公表しました。

今回のインタビューで触れている「5年間の獄中でダメージを受けた体や精神」とあることの前提には拷問がある。19年1月の実刑判決は、「国家政権転覆罪」による罪ということになっている。今回のインタビューを読むと、戦前の日本の治安維持法が頭に浮かんでくる。しかも刑を終えてからも執拗な監視がつきまとい、日常生活さえ脅かされるのも同じ。

中国は、一党独裁の国で、国家に対して基本的人権を守れという立場で活動を行ったら「国家転覆罪」という罪を押しつけられ、逮捕・投獄される国だと言うことだ。ソ連もそうだったが、外国に対して覇権主義・帝国主義的な干渉を行う国は、国内において民主主義と基本的人権を踏みにじる。
こういう国は社会主義ではない。
社会主義は、資本主義の中でたたかいや運動によって生まれてきた自由と民主主義を発展させて始めて機能する。社会主義の最も根本的な基本は、生産における働く者こそが主人公=生産手段の社会化にある。この分野で本当の意味で、自由と民主主義が実現しないと社会主義は始まらない。国家の力によって国民を支配し、国家には向かう者を国家転覆者として取り締まるようなことをしつつ、その一方で生産手段を社会化することはあり得ないだろう。
子どもが学校に通うことができなくなり、引っ越しを余儀なくされたという国が、人権を守ってきた弁護士から弁護士資格を剥奪し、監視下におく国というのは、近隣の国々にとっても脅威だ。

基本的人権の問題は、国際問題になっている。基本的人権を平気で否定する中国は、世界人権宣言の観点からも批判されなければならない。

いまの靖国派と呼ばれている日本政府のメンバーの多くは、中国を批判しながら、中国の政治体制に憧れているといっていいだろう。基本的人権と国民主権、恒久平和こそが日本の歴史と伝統に合わない、これを改めないといけないと言って拍手喝采をするような政治勢力が、いま政権を運営している。


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雑感,日本共産党

Posted by 東芝 弘明