貧乏神とビーナス

雑感

アドビスステムに新しいサービスはないかと思い検索した。

「あった」
思わず声が出た。1980円という金額が目に飛び込んできた。
AdobeのCreative Cloud(Adobeの製品のほとんどすべてのソフトがパッケージ化されたもの)が月額1980円で購入可能になっていた。Adobe製品のCS3〜CS6を持っているユーザーがこの金額で1年間購入できるというものだった。4980円のパッケージが1980円で購入できるというものだ。
安い。確かに安い。

触手が動いたので、Adobeに電話を入れた。
現在、毎月Photoshopを980円で購入している。購入しだしてから1年と7か月が経過している。今回の契約に切り替えるにはどうしたらいいのか。
電話がつながったので、この質問から尋ねることにした。
「一度解約していただいて、あらためてCreative Cloudとして契約し直していただきます。その際、PhotoshopCCが途中解約となるので、年間契約の残りの月の半額が違約金として発生します。お客様の場合、違約金は4か月分で1960円となります」
1960円なら大丈夫だと判断して、手続きに入った。
何度か電話が他のセクションのオペレーターに回されて、電話による手続きが終了した。

来年の7月9日まで、毎月1980円でCreative Cloudを使用することができるようになった。このサービスは、すべてのCreative Cloudを2台のパソコンにインストールできるというものだ。パソコンは、MacとWinの2台でもかまわない。

今までは、Adobeの製品を最新の状態で維持していくためには、3年に1度くらい28000円程度のお金が必要だった。バージョンアップしないとサポートが打ち切られ、安い値段でアップグレードできなくなる。そうなると新規購入しか許されず、98000円や78000円などの費用が必要になる。ぼくの場合、illustratorとinDesignを繰り返しバージョンアップし、そのたびに28000円という費用をかけてきた。もう一つどうしても購入したい商品はPhotoshopだった。しかし、Photoshopを新たに購入するためには、ユーザー優待でも5万円以上が必要だったし、購入後3年ごとにあらたに28000円というお金が必要になるということだった。
3年ごとに84000円というお金が、inDesignとPhotoshopとillustratorに必要になるということだったので、Photoshopの購入にはどうしても手が出なかった。しかし、Photoshopがないと画像をRGBから印刷用のCMYKに変換する作業がうまく行かない。
悩んでいると、Adobeの新しいフォトグラフィーサービスが始まった。最初は月1000円というサービスだった。これならPhotoshopを手に入れることができる。そう考えてこのプランを購入した。

一方Adobeは、パッケージ版のソフトの開発をCS6で止めるのではないか、というような感じのするソフトの販売に移行し始めた。それがダウンロード販売による年間契約、月額販売という形態のソフト販売だった。新しいソフトはCCという呼び名が付けられた。CCは、Creative Cloudの略だった。CC版はCloud型の販売方法を取り、パッケージ時代には20数万円していたソフトのセットを月額4980円で販売し始めた。ずっとCloudとつながっているので、最新バージョンへの変更が自動的にアナウンスされ、簡単な操作でメジャーバージョンアップができ、そのための新たな課金が一切ない、これがCC版のサービスの特徴だった。
ぼくは、inDesignとillustratorのCS6を持っていたので、当面は980円になったフォトグラフィーサービスだけで満足していた。
しかし、今回のオペレーターの話によれば、今年の11月30日でCS6のサポートは終了するという。これ以降はすべてCC版に統一されるようだ。今回のサービスは、パッケージ版最後の特典販売ということらしい。この移行サービスに乗らなければ損だという話だった。

来年以降、毎月4980円でCreative Cloudを購入し続けるのは負担が重い。全体をこういう方向に移行させるのであれば、月額の使用料金を3000円台に値下げして欲しい。切実にそう思う。とにかく、1年間は月額1980円なので非常に安い。メモ帳に7月9日に1980円プランが終了することを明記して、Creative Cloudを使用したいと考えている。来年の7月に月額料金が値下げされることを願いたい。
この声よ、Adobeに届け。

Adobeのオペレーターとのやり取りの最後にぼくはこう言った。
「Adobeの製品は揃えたかったんですが、手が出ませんでした。でも1980円なら購入できます。どうしてもAdobeの製品が必要です」
電話が終わる間際にぼくは次のように付け加えた。
「Microsoftとは全く違います」
「ありがとうございます」
電話の向こうで男性オペレーターの声が弾み、笑い声が返ってきた。

Microsoftのオフィスが貧乏神だとすれば、Adobeの製品はビーナス(美の女神)だろう。違いはそれほど大きい。


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雑感Photoshop

Posted by 東芝 弘明