初の参考人質疑

雑感

総務産業常任委員会が開催され、かつらぎ町議会初の参考人招致に基づく請願の審議ということになった。議会改革の中での初めての参考人招致だった。テーマは来年10月1日から実施される消費税のインボイス制度の中止を求める請願に関わってのことだった。
議会事務局に正式な手続きを行っていただいて、参考人質疑が実現した。今日は、委員会の中で請願人の趣旨説明を40分受けて以後、1時間ほど質疑を行った。
委員会に町長及び町長を補佐する説明員である町職員以外の職員を出席させ、説明を受け質疑を行うときは、委員会を休憩して、休憩中に説明と質疑を行うか、もしくは参考人として出席させる方法以外に選択肢はない。こうならざるを得ないのは、地方自治法の規定がそうなっているからだ。

第115条の2 公聴会の規定(省略)
2 普通地方公共団体の議会は、会議において、当該普通地方公共団体の事務に関する調査又は審査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができる。

どうしてそうなるのか。答えは明確。議会の説明員は、町長及び町長を補佐する説明員である職員及び教育委員会の委員及び事務局員のみ。それ以外の人が出席して答弁をすることはできないからだ。
これ以外の人が、議会に出席して答弁をしてもらうためには、公聴会を開くか参考人を招致するしかない。
もっとフランクにしたいと思う人もいるだろう。議会の各委員会が、住民と懇談をしたいときは、委員会の公式の会議でない形で懇談会を開くということになる。委員会が、正規の会議として議案の審議のために住民と懇談をするというのはできない。これは、議会における答弁とは何かという規定から出てくるものだ。議会はこのルールを厳格に守る必要がある。
逆に言うと議会における答弁というのは、永久に保存され、その責任は個人的にも発言によっては議会外で裁判の対象になるなど極めて重いものだといわなければならない。

公聴会は、公述人を議会側から指名できないのですぐには実現できない。公聴会を開くことを周知し、公述人になる人を募集して、調査や検討している議案について賛成・反対の人数のバランスを取らなければならない。誰を公述人として採用するかは議会の判断による。これに対し、参考人は、参考人として議会が招致する人を指名して、出席してもらうという形だ。

社会福祉協議会の職員に対して委員会で説明及び質疑を行いたいとなれば、参考人招致という手続きが必要になるだろう。厚生文教常任委員会の委員長のときに認知症のサポーター養成講座を開いたが、この講座の部分は正式な委員会ではないことを明確にして開催した。

視察に行って、現地で説明を聞くというのは、委員会の公式な調査だが、これは委員会審議ではないということだろう。現場では県の職員に会ったり、企業の方に会ったり、住民の方から意見を徴収したりすることはあるが、現地で委員会を開くということではないと思われる。これは、議員派遣の関係で把握されるものではないだろうか。

議会改革の中で、この関係を明確に把握している議会は、議会や委員会が任意の一般会議を開けるような規定を設けている。日本で初めて議会基本条例を制定した栗山町議会は、一般会議のことを規定している。かつらぎ町議会でも、これらの関係を明確にして、基本条例を定める必要がある。

かつらぎ町議会初の参考人招致を実施したことの意味は大きかったと思う。今後、このような形や任意の会議、住民との懇談会が開かれるようさらに踏み込んで行くべきだと思われる。議案に関わって懇談したり所管事務調査の中で懇談したりすることは、大いに推進すべきだと思う。


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雑感

Posted by 東芝 弘明