物欲を掻き立てるシステム

雑感

少し前のことだが、究極のコマーシャルがあった。
ぼくも頭の毛が薄くなりつつあり、娘には「ハゲー」といわれることが多い。自分でも少し気になっている。
Facebookやtwitterを見ていると、コメントの中に広告が入り込んでくる。中には気になる広告がある。
この前、薄毛の悩みを解消するというよくあるコマーシャルがあった。
しかし、このコマーシャルはものすごく手が込んでいて、あなたのDNAを無料で検査して、薄毛の原因を特定し、その原因を踏まえてあなたの体質に合った育毛剤を調合するというものだった。DNA検査は綿棒でホッペタの裏側をこすりつけて唾液と細胞で解析するというもの。映像としてDNA検査キットを撮し、これをお届けするので、作業をして送り返していただければいいというものだった。あと掲載されていたのは、使用した人の感想とビフォー・アフターの写真だ。更に念が入っていたのは、期間限定商品で期日に向けたカウントダウンが秒単位で表示されていたのと、現在、このサイトを見ている人の人数と、限定商品の在庫数がリアルタイムで表示され、カウントダウンされていたことだ。見ている間に見ている人が増えていくのと、カウントダウンされている商品が見る見る減っていくというものだった。

値段は比較的リーズナブルだったので、思わずクリックしそうになった。すごい説得力だった。見ている人が増えていくのとカウントダウンで減っていく商品を見ていると、急がなきゃと思わされてしまう。期間限定販売は、それから3日してもまた設定し直されて続いていたので、ホントに期間限定だったのかは定かではない。

インターネットの宣伝は、見ている人の心をわしづかみにする。テレビショッピングにも訴求力があるけれど、自分で自主的に観ている画面に商品のコマーシャルが入ってくると見てしまう場合がある。商品からのラブコールは、繁華街の客引き以上に激しい。とにかく全ての商品は、「私を買って」というメッセージを盛んに伝えている。その伝え方はテレビコマーシャルを見ていればよく分かる。実にバラエティに富んで多面的だ。何のコマーシャルなのか分からないような物から、美味しそうに食べているので買いたくなってしまう物から、美しさをイメージしている物から、物語を楽しめる物など。上げればキリがない。

テレビ・コマーシャルは、買い手が、番組の途中で余計な見たくもない物を見ているという前提を意識して作られている。従ってどうやって印象に残るようにするか、苦心している。しかし、ネットのコマーシャルは、自分から進んでみているだけに食いつき方が違う。しかも、Amazonなどでは、すぐに購入できるシステムとともに見せているので、テレビ以上に影響力が大きい。
物欲を掻き立てるシステムのなかで現代人は翻弄されている。


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雑感

Posted by 東芝 弘明