血液型で性格が分かる?─それはないでしょ。

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友だちのブログで、B型の血液による性格の話があったので、最近聞いたポッドキャストの話を思い出してしまった。血液型で性格が分かるのか。
かなり賢いぼくの先輩は、この問題になると、がぜんハッスルして、統計学的に正しいことが証明されているとまことしやかなことを言う。
本当にそうだろうか。まずは脳の話。
科学的な観点から言えば、血液型が性格に関係があるとすれば、血液型と性格の因果関係を証明しなければならない。しかも、難しいのは脳の作用と血液型の関係を証明しなければならないことだ。
つまり、ドーパミンがシナプスから放出され、それが人間の情報伝達に重要な役割を果たしているように、血液型の違いが、人間の脳に具体的におよぼすメカニズムを明らかにしなければ、血液型と性格が因果関係で結ばれているとはいえない。
少し探していると次のような文章があった。

一方脳の血管のまわりには膠細胞の突起がすき間ないように附着しており、脳機能に関係する酸素、ブドー糖、アミノ酸の一部、水などごく少数の物質しか通過させないことが知られている。これを血液・脳関門と呼んでいる。当然型物質のような糖脂質、糖タンパクは血液・脳関門を通過しない。
 つまり脳細胞が自己の血液型を知ることはないのである。


この文章は、脳の情報伝達に血液が介在していないということを言っている。
次は歴史の話(血液型診断のウソとホント:ポッドキャスト、サイエンスサイトークより)。
第一次世界大戦の少し前にハラキマタさんが、ドイツに留学した。この人が血液型と性格が関係があるという研究をおこなった最初の人だった。この人は大正5年に論文を書いている。この論文で書かれている血液型の性格類型についての論文は、サンプルが非常に少ない。これが世界初の血液型と性格についての論文だった。
ハラキマタさんが留学した当時、ヨーロッパの中に血液型と人種には関係があると思われていた。ヨーロッパの白人にA型が多く、東洋人にはB型が多かった。ここから優秀な人種にA型が多いという偏見が出てきた。これは人種差別論でもあった。
日本の陸軍では、B型が劣勢だと言われたことに対し、B型の人間に優秀な軍人がいることを統計を取って明らかにしている。
性格の違いを計測できない中で、骨にいったり血液型にいったりという傾向があった。
職業にふさわしい血液型という研究もあった。日本の外交が弱いのはO型の外交官が少ないからだと言われたときもある。
小泉純一郎さんは、A型(温厚で従順で謙虚ではないですよね)。
血液型による統計学的な差は、大きな差ではない。お医者さんの中で、血液型の性格診断は、研究の対象にならない。
血液型と性格は、全然関係ない。これがどうも結論のようだ。
人間の性格とは何か。脳科学は、人間の心の有り様についての解明には至っていないようだ。性格や心について解明されていっても、血液型が一つの決定的な要因になっているということは、証明されそうにない。
そもそも。
人間の性格をA、B、AB、Oという4種類に分類することに、ぼくなどは違和感を覚える。
「人間の性格は4種類しかないのかよ。それはおかしいだろ」──そう思ってしまう。性格類型をもっと多面的に、具体的に事実に即して分類する方が、血液型で論じるより面白い。
コミュニケーション術としての血液型による性格診断。それを言い合っている会話自体が面白い。血液型による性格診断で恋人との親しさが増すのであれば、血液型による性格診断も役に立つということだ。


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Posted by 東芝 弘明