旭爪あかねさんの「風車の見える丘」

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旭爪あかねさんの本、「風車の見える丘」を最近読み終えた。この本は、前作の「稲の旋律」の姉妹編のような作品だ。同じ農学部の学生だった女性2人、男性3人の5人が卒業したあと、自分の仕事や生きる道をめぐって支え合いつつも、ライバル視し、苦しみ、もがく姿が深く描かれている。
風車というのは、風力発電のあの白い、大きな羽をもった風車のことである。
この5人は、卒業するときそれぞれの理想や希望を胸に、1人、大学に留年した靖と教師になるために浪人した拓郎以外は、仕事を得て巣立っていった。
5人は、どんなことがあっても、仲間として相談し合って乗り越えていこう──これが互いに確認された誓いだった。
話は、ゼネコンがつくった農業関係の研究所に就職した新が、自社製品の売り込みのためには、データを操作するような仕事に嫌気がさし、仕事を辞め、農業に従事して悪戦苦闘することを軸に展開していく。
農家の苦しみや農業の現状などがリアルに描かれている作品だ。
小説の半ばから、「稲の旋律」の主人公だった千華が登場し、前作と交差するように作品が展開されている。
「稲の旋律」と「風車の見える丘」。この2つの作品は、合わせて読むことによって深く響きあうような世界を作っている。
読み終えても、作品の世界を振り返りながら、広がっていく感動を味わい続けていたくなるような感じがする。この作品につながる3つめの続編を読んでみたい。

旭爪 あかね
風車の見える丘


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Posted by 東芝 弘明