鈴木敏夫さんの「仕事道楽」

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鈴木敏夫さんの「仕事道楽」を読み始めた。
相槌の大切さが書いてあり、「わからないのにわかったように相槌を打つ人。これはぼくは弱さだと思います。知らなければちゃんと聞けばいいんです」と書いてあった。しかし、同時に知らないままでとにかく何でも聞けばいいということではない。「相槌を打つには、もとになる教養が必要、ベースが必要、データが必要です」ということも書かれている。そして、鈴木さんは、高畑さんと宮崎さんと対等に話ができるように、2人が読んだ本を必至で読んで理解する努力をしたという。
議員として取材をする。取材相手が話す内容、話の世界をまったく知らないまま取材をすると、相手は話したくなくなってくる。「こいつは、まったく知らないヤツだな」──そんな風に思われてしまうともうおしまい。相手から深く話を聞き出すためには、もしくは、相手とこちらの話がコラボレーションを巻き起こすためには、聞く側も話す側と同じように深い内容をもっていないと、いい話は聞けない。相槌の打ち方も内容を深く知っていれば、おのずと変わってくる。──鈴木さんのこの指摘は大切だ。
相手に取材をするためには、事前に取材内容を把握し、一定のことを理解し、さらに問題意識をもって話の本質に迫っていくような質問をおこなうことが大事だ。
鈴木さんの相槌の話は、議員の取材にも通じる話。
でも、ぼくは、相槌については、知らないことを知ったようにして、聞いて知らないという態度をとらない場合がある。このような態度は、戒めないと相手に見透かされてしまう。知らないことは知らない、知らないことは教えてもらう。こういう態度がものすごく大事で、教えてもらったことは必至で学ぶ、あとから文献にも当たってきちんと深く理解をするということが大切だろう。
本から学んだことは、実際に実行して自分の血と肉にする努力をしないと忘れてしまう。
知らないことは教えてもらう。──この態度を実際に実行できるかどうか。自分にそういう課題を課さないと、鈴木さんの本から深く学んだことにはならない。
学ぶとは何か。
学ぶ──それは自分の生き方に学んだことを生かして、実践するということ。知識として「分かった」という段階にとどめていたら、それは急速に忘れられていく。
一度読んだ本は、数か月か数年経ったらかなり内容を忘れている。本や文献を読んで「分かった」だけでは、自分の血肉にはならないということだ。
理論書を読んだら、データや理論を自分で具体的に使って物事を分析する。そうして初めて学んだ理論が生きる。身につく。
そういうことだと思う。
鈴木さんの「仕事道楽」──この本は思った通りおもしろい。
仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143)/鈴木 敏夫

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Posted by 東芝 弘明