一度決めたことは、すぐにひっくり返る

かつらぎ町議会

議会広報委員会が行われた。記事がレイアウトを含めて出来上がってきた。朝、テーブルの上には、一般質問の原稿とともに版を起こしたものも置かれていた。
編集は、6人の委員と議会事務局の2人の職員で行われる。一般質問の校正は、一人ひとりの原稿を読み上げながら進む。書かれている原稿が、きちんと意味の通じるものになっているのかどうかを吟味する。これらの作業は午前中に終了した。8人の校正のスピードとしては早いほうだった。

お昼ご飯は、シーズンカフェに予約していた。総合文化会館の2階にあるお店まで歩いて行く。
「暑いですね」
歩きながら、何度もこんな会話を交わした。日差しが強い。空を見ると夏雲のような雲がもくもく上に伸びていた。防災センターの手前の橋の上にさしかかると、桜谷川の両側に立っている桜の木々の葉の落葉が目に入ってきた。夏が終わらないのに、秋はすでに準備されていて、落葉を始めるのは不思議に見えた。
お昼の予約は、日替わりランチだから飲み物付きで750円だ。今日はハンバーグだった。安い値段でコーヒーまで飲める。議会の委員会があるときには、歩いて食べに行くことのできるここをよく利用する。

午後は、版下になっている原稿に手を入れた。文章を読み合わせながら校正が進んでいく。版下は、すでに町長や課長の下にも回覧されており、訂正も入ってくる。ときどき、「えー、議場でそんなことを言っていたかな」というような訂正もある。事と次第によっては、訂正を却下することもある。字数の関係で縮める努力も行われることがある。
議会事務局の女性職員は、毎日新聞の表記のハンドブックを片手に、「いう」を漢字で書くべきなのか、「言う」と書くべきなのか、「よく」を「良く」と書くべきなのかを見極めたりする。表記のあり方については、正解がないこともある。正解や間違いではないが、「こういう書き方に統一する」ことも多い。かつらぎ町は、「コミュニティバス」と表記している。正しいとされるのは、「コミュニティーバス」だ。「ティ」は表記上の揺れだとされて「ティー」の方が正しいという指摘がコンピューターをさわっていても出てくる。それでも、町行政による表記は、「コミュニティバス」で統一されている。

前回決めたことがひっくり返ることがあった。
「前の会議でこう決めたやないか」
「でもこっちの方がいいやないか」
押したり引いたりして、決めたことが、もう一度ひっくり返った。
腹を抱えて笑うことも多い。

個人としては、前回決めたことをひっくり返すことに対し、抵抗はない。
最近、podcastを聞いていると、坂本龍一さんが、「監督という人間はどうして、ああも自分の言ったことを忘れるんですか」という言葉があった。この言葉が妙に気に入った。
いい物を作りたいという感覚が、毎日違うことを口走らせるようだ。それに振り回される坂本龍一さんがいた。
「もっと悲しい曲を作ってくれ」
という注文に対し、坂本さんは5回ほど曲を書き直したのだという。
5回目の書き直しのときにその監督は言った。
「悲しすぎる」

創作というのは、何度もひっくり返っていいんだということを意味している。
実際、8月以降、ぼくが作ったビラは、何度も何度もひっくり返った。今回完成しようとしているビラは、ボツになったバージョンが2種類「ボツ」という名前をつけて保存されている。

4時をまわってから写真を選んだ。一般質問の写真は、実際に質問しているときに撮影されたものの中から選ばれる。今回、ぼくは、顔の高さまで質問用の資料を持ち上げている写真を使うことにした。
終了の数分前に共産党和歌山県委員会のNさんから電話がかかってきた。「和歌山県防衛協会に補助金がでているかどうか」という問い合わせだった。
会議終了後、予算書を出していただいて、調べてみた。そういう支出は行われていなかった。
「総務に尋ねてみますか」
事務局のSさんは、そう言いながら電話を掛けた。
「そういう支出はないみたいです」
これが答えだった。

「そういう支出は行われていません」
電話を掛けて返事を返した。

5時になると、会議の連絡がiPhoneに表示された。新しいiPhoneは予定が近づくと表示が出てくる。橋本で行われる会議のことを思い出した。役場の駐車場を出たのが5時40分、大谷のインターから京奈和に乗って御幸辻に到着したのが、6時8分前だった。


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かつらぎ町議会

Posted by 東芝 弘明