ダンダリン、かつらぎ町の職員、必見のドラマ
水曜日の10時、「リーガル・ハイ」と同じ時間帯に、「ダンダリン」というドラマが放映されている。録画していたこのドラマを11時から観た。労働基準監督署に出勤する段田凜(竹内結子)が、巻き起こす仕事ぶりが、次第に労働基準監督官の仕事を変えていくという話になっている。
残業代未払いを払わせる。公務員は、現業職以外は、労働基準監督署の権限外だが、かつらぎ町の職員の方々にぜひ観てほしいと思うドラマになっている。
かつらぎ町の残業代未払いの問題は、なかなか解決しない。法律を守るべき地方自治体が、法律を守らない場合、ことがなかなか進まない。
「ダンダリン」のドラマの第1回では、労働基準監督署の権限の及ぶ会社の場合、監督署は、場合によっては責任者を逮捕できる権限を持っていることが描かれていた。その際、労働基準監督署は、留置場を持っていないので、警察の留置場を借りる必要があるし、検察の協力も得てからしか動けないということも描かれていた。しかし、逮捕状を裁判所に請求して、逮捕できることが描かれていた。この権限が自治体のも及べば変化が起こるのにと思う。
地方自治体の場合、不正常な事態を変えるためには、働いている人自らが、自分の足で立ち上がらなければならない。
残業代の未払いは、請求されたら絶対に支払わなければならないことになっている。多くの場合は、残業をさせていたかどうか、事実の確認がまず必要になる。しかし、かつらぎ町の場合は、残業をさせたかどうかはすべて記録されている。その点では、事実についての争いは存在しない。
しかし、現役の職員が、自分の残業代を請求した例はまだ生まれていない。何年にもわたって残業代の未払いが続いている。支払う意志のないかつらぎ町は、2年経ったら残業代については、時効が成立するので膨大な金額の残業代を支払わないまま、時効によって助かっている。
残業代の未払い問題を議会で明らかにしても、事態はほとんど進展していない。課長に法的な関係について、明らかにするよう求めても、まともな回答は返ってきていない。法的な関係をすべて文書で明らかにして、残業代につては、かつらぎ町でも原則が確立するようにしたいと思っている。
「残業代を支払わなければならないかどうかは、残業代の未払いが法律に触れるかどうかは、司法が判断する」とか「残業代は払わない」などと、町の重要なポストを占めている人は発言しているようだが、残業代の未払いは、司法が判断すべきものではない。残業の事実があり、未払いの事実があれば、請求されると支払い義務が生じ、それを拒むことはできない。拒むのであれば、告発する必要がある。
こういうことに関心があるので、笑いの要素の多い「ダンダリン」に関心をもって観たいと思っている。2回目のドラマでは、名ばかり店長の実態が暴かれ、臨検のシーンがあった。この臨検によって、残業代が支払われた。名ばかり店長から届いた凜へのメールは、「権利も義務も知らなかった私ですが、もっと賢くなって働きたいと思います」というものだった。
役場の職員の方々は、住民の権利を守る義務を負い、全体の奉仕者として法律にもとづいて仕事をしている。正当に働き、残業をしているにもかかわらず、残業代を支払ってもらえないような無権利な状態に自分たちを置き、それに甘んじて働いている。諸悪の根源の一つ、解決を迫られる大きな問題の一つ、これが未払い残業の問題ではないか。
「ダンダリン」、かつらぎ町の職員のみなさんにお勧めのドラマです。